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「痔瘻の再発率」はどのくらい?日常生活の注意点も医師が解説!

 公開日:2025/11/18
「痔瘻」の再発率はどのくらい?日常生活の注意点も医師が解説!

お尻のお悩みは、なかなか人に相談できないものです。専門の医院に行くのも気が引けてしまうという方も多いのではないでしょうか。

今回はそんな「痔」のお悩みの中でも症状の重い「痔瘻」について、特徴・治療法・予防方法などをQ&A形式でわかりやすく解説していきます。

痔瘻は市販薬などでは治癒が難しいとされています。ここで正しい知識を身につけ、きちんと専門医にかかるようにするとよいでしょう。

甲斐沼 孟

監修医師
甲斐沼 孟(上場企業産業医)

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大阪市立大学(現・大阪公立大学)医学部医学科卒業。大阪急性期・総合医療センター外科後期臨床研修医、大阪労災病院心臓血管外科後期臨床研修医、国立病院機構大阪医療センター心臓血管外科医員、大阪大学医学部附属病院心臓血管外科非常勤医師、大手前病院救急科医長。上場企業産業医。日本外科学会専門医、日本病院総合診療医学会認定医など。著書は「都市部二次救急1病院における高齢者救急医療の現状と今後の展望」「高齢化社会における大阪市中心部の二次救急1病院での救急医療の現状」「播種性血管内凝固症候群を合併した急性壊死性胆嚢炎に対してrTM投与および腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行し良好な経過を得た一例」など。

痔瘻の予後と注意点

腰部を帽子で隠す女性

日常生活で気をつけることはありますか?

  • 痔瘻は肛門入り口付近の歯状線にあるくぼみ(肛門腺)に、下痢便などが入り込むことで細菌感染を起こす病気です。通常であれば肛門腺に便が入り込むことはないようになっているため、まずは体調を整えてお腹を下さないようにしておくことが大切です。
  • また肛門腺に細菌が入り込んだ際、周囲に傷があったり体の抵抗力が落ちていたりすると、そこから感染が広がり膿が発生します。肛門付近の傷は、下痢以外にも便秘などで便が硬くなっている場合にもつきやすいので注意が必要です。
  • 辛いものや冷たいものの食べ過ぎ・水分不足・栄養の偏りなどを避け、健康的な食生活と安定した体内免疫を保つよう心がけましょう。

痔瘻の再発率が知りたいです。

  • 痔瘻の再発率は、治療(手術)の方法により差があります
  • 前述の2種類のうち、痔瘻のトンネルから外側をすべて取り除くタイプの切開開開放手術を行った場合は再発がほぼみられません。細菌の感染したトンネルやくぼみごと切除するため、少なくとも同じ場所での再発は無くなります。
  • 対してトンネルをくりぬく形で開放する括約筋温存法では、肛門内部に手術後の傷跡が残ってしまうため、ここから傷が開いたりして再発する可能性もあります。とはいえ極端な下痢や便秘を起こさなければ、肛門の周囲を傷つけることはないはずです。もし発症してしまった場合は医師に相談するのはもちろん、より食生活や生活習慣に気を遣うことで再発を防止しましょう。

周りはどのように対応すると良いでしょうか?

  • 痔瘻は難しい病気ですが、周囲の介助が必要になる程の症状や後遺症はほとんど起こりません。患者本人が日常生活で気にするのは、ドーナツクッションを使用したり、長時間の座りっぱなしを避けたりという程度でしょうか。その他、痔瘻を発症した知り合いがいる場合は辛いものや冷たいものを勧めすぎないようにすると良いでしょう。特に辛い料理は、痔瘻に限らず痔を発症している方は控えた方が良いです。過剰に気にしたりすることなく、気付いたときに最低限の対応をするようにしておけば大丈夫です。

最後に、読者へメッセージをお願いします。

  • 痔瘻は痔の中では比較的発症しづらい部類ですが、発症してしまうと酷い痛みや腫れを伴います。放置しておくと膿のトンネルが増えたり複雑化したりと悪化する傾向があり、手術がほぼ確実に必要になる病気でもありますから、「もしかして」と思ったらすぐに医療機関を受診してください。また、普段の食生活や生活習慣を整えておけば発症しづらい病気です。下痢や便秘を起こさないよう、バランスの良い食生活を心がけて生活してみてくださいね。

編集部まとめ

人差し指を立てる女性

今回は痔瘻という病気について、その特徴や治療方法などをまとめてきました。人に相談しづらい病気だからこそ、放置して悪化させてしまうこともあるかもしれません。

特に痔瘻は、自然治癒や市販薬での治療ができない病気です。気になることがあれば放置せず、きちんと専門の医療機関を受診してくださいね。

この記事の監修医師

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