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【感染を予防!】「ウイルス性胃腸炎の排泄物はどう処理するか」ご存じですか?医師が解説!

 公開日:2025/12/12
【感染を予防!】「ウイルス性胃腸炎の排泄物はどう処理するか」ご存じですか?医師が解説!

ウイルス性胃腸炎は子どもに多くみられる病気で、主に秋から春にかけて発生します。突然の嘔吐や下痢から症状が出ますが、ほとんどの場合は1日~2日程度でおさまります。

特別な治療方法がないため、発症した場合は脱水症状を起こさないようにこまめに水分補給を行うことが重要です。

ウイルスが体内から排出されれば数日で自然に回復します。しかし、抵抗力が弱い子どもや高齢者が発症した場合は重症化や死亡のリスクがあるため、注意が必要です。

この記事では、ウイルス性胃腸炎の注意点と予防について詳しく解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「ウイルス性胃腸炎」とは?症状・原因・治療法についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

ウイルス性胃腸炎の注意点と予防

<h2>ウイルス性胃腸炎の注意点と予防</h2>

嘔吐物や排泄物の処理方法を教えてください。

  • 患者の嘔吐物や排泄物からも感染するため、片付けが終わるまでは他の人にうつさないようにできるだけ人を遠ざけてください。処理する人以外は少なくとも1m以上の距離をとりましょう。
  • 嘔吐物・排泄物の処理のために準備するものは下記の3点です。
  • 使い捨てマスク・使い捨て手袋:処理する人が感染を防ぐため
  • 消毒剤:次亜塩素酸ナトリウムなど塩素系消毒剤・家庭用塩素系漂白剤
  • 雑巾・古新聞など:嘔吐物・排泄物のふき取りのため
  • 嘔吐物・排泄物の上に雑巾・古新聞などをかぶせて、汚染場所を広げないように中心に向かってふき取ります。ふき取り後は50倍に薄めた塩素系漂白剤で浸すように床をふき取り、その後水ぶきします。
  • 処理で使用した雑巾・古新聞はすべてビニール袋に入れ、口をしっかりとしばって捨てましょう。嘔吐物・排泄物を乾燥させないことが重要です。
  • できるだけ早く処理をし、窓を開けて換気をしましょう。処理の後はしっかりと手洗い・うがいをしてください。

嘔気・嘔吐があるときの食事や水分補給はどのようにすればよいですか?

  • 嘔吐した直後は食事や水分補給を控えてください。口を軽くゆすぐ程度で、嘔吐後1~2時間後くらいからゆっくりと水分摂取を始めましょう。水分をとっても嘔気・嘔吐がなければ、少しずつ1回の量を増やしていきます。
  • 食事も胃腸に負担をかけないよう、消化のよいものを少量ずつ食べるようにしましょう。食欲がない場合は無理に食事をとる必要はありません。
  • 症状が落ち着き、食欲がわいてきたらおかゆ・柔らかく煮込んだうどん・すり野菜のスープ・すりおろしたリンゴなど、消化しやすいものを食べてください。

ウイルス性胃腸炎の予防方法が知りたいです。

  • 予防のために重要なことは手洗い・うがい・消毒です。外出先から帰ったとき・食事の前・トイレの後などはこまめに手を洗ってください。原因となるウイルスは加熱処理をすることで死滅するため、調理をするときはしっかりと火を通しましょう。
  • また、原因となるウイルスのなかで、ロタウイルスのみ予防のためのワクチンがあります。ワクチン接種によってロタウイルス胃腸炎による入院リスクを約70~90%減らすことができたという調査結果もあります。
  • ロタウイルスの予防接種は1回目の接種を生後2ヶ月から接種を開始し、遅くとも生後15週までに開始することが推奨されているため、かかりつけ医に相談してみましょう。

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

  • ウイルス性胃腸炎は子どもに多くみられる病気で、人から人へ感染します。原因となるウイルスはさまざまなものがあり、子どもに多い「ロタウイルス」のほか「ノロウイルス」も代表的です。
  • 非常に感染力が強いことが特徴で、少しでも体内にウイルスが侵入すると発症します。症状は突然の激しい嘔吐や下痢から始まりますが、ほとんどの場合は1日~数日で自然に回復します。
  • 特別な治療方法がないため、脱水症状を起こさないようにこまめな水分補給を行い、安静に過ごしましょう。抵抗力が弱い子どもや高齢者の場合は重症化のリスクがあるため、注意が必要です。
  • 脱水症状が強い場合・強い腹痛・血便が出た場合は点滴や入院などの処置が必要な場合もあります。ぐったりとしていて様子がおかしいと感じた場合は、すぐに医療機関に相談しましょう。
  • また、小児では容易に脱水になることが多いため、ホームケアで対応できなければ、早めに医療機関を受診してください。

編集部まとめ

<h2 class="belt-baby-motive">編集部まとめ</h2>
ウイルス性胃腸炎は主に秋から春にかけて流行する病気で、ロタウイルスノロウイルスが代表的です。

症状は急な嘔吐や下痢で始まるため「嘔吐下痢」などとも呼ばれますが、特別な治療方法はありません。投薬治療などはなく、安静にして自然に回復するのを待ちます。

嘔吐を繰り返すと脱水症状を引き起こす可能性があるため、注意が必要です。

吐き気があるうちに無理に水分をとると胃を刺激するため、吐き気がおさまってから少量をこまめにとるようにしましょう。

治療方法はありませんが、手洗い・うがい・消毒で予防することはできます。とくに、外出先から戻ったときや食事の前はしっかりと手を洗いましょう。

この記事の監修医師

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