「尖圭コンジローマ」を疑う4つの症状はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/12/27

尖圭コンジローマは性病の1種で、性器に特徴的なイボがあらわれます。
性病の中では比較的重い症状が出にくい病気ですが、放置すると周囲の方を危険にさらしたり、自身・パートナーの不妊の原因になったりすることもあります。
自分やパートナーを守るには、正しい予防知識を持ち、症状があらわれた場合はすぐに病院を受診することが大切です。
本記事では、尖圭コンジローマの受診の目安を解説致します。ぜひ参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「尖圭コンジローマ」とは?男女別の症状・原因についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
目次 -INDEX-
尖圭コンジローマの診断と治療

セルフチェックの方法や受診の目安を教えてください。
- セルフチェックするには、性器に小さなイボができていないか確認しましょう。男性の場合は陰茎・包皮表面をチェックしてください。
- 女性は大小陰唇・膣前庭・尿道の入り口を重点的に調べましょう。
- イボの形状が次に当てはまる場合は、尖圭コンジローマの可能性が高いといえます。
- イボの先が尖っている(三角形のような形)
- 表面がザラザラしている
- 痛み・かゆみはさほどない
- 灰色・白・ピンク・黒色など
- 性器のイボは、その他の性病で発生することもあります。イボの形状が上記のような特徴に当てはまらない場合は、その他の病気が疑われます。
- しかし一般の方には、イボの形を正確に見分けるのは難しいものです。
- 性器に気になる出来物がある場合は、形・症状などにかかわらず、念のため病院を受診してください。
何科を受診すればよいですか?
- 診療科は、男女でやや異なります。男性ならば泌尿器科・皮膚科で診てもらいましょう。
- 女性は膣内部に症状があらわれることもあるため、婦人科の受診がおすすめです。
診断のためにどのような検査を行いますか?
- 尖圭コンジローマの診断では、多くの場合、特別な検査は行いません。診断は問診・視診・触診によって行うことが一般的です。
- 視診とは、医師が患部を直接目で見る方法です。触診では、医師が指などで患部に触れます。ちなみに、尖圭コンジローマは感染しても発症しないケースもみられます。
- 症状がない場合、視診・触診では診断できません。そのため症状がない方に対しては、「低リスクHPV検査」を行うこともあります。
- 低リスクHPV検査とは、陰茎・膣などの粘膜を綿棒でこすりとり、ウイルスの有無を調べる検査方法です。検査結果が出るまでに1週間ほどかかります。
- 低リスクHPV検査に対応しているかどうかは病院によって異なるため、受診前に電話などで確認しておくのがおすすめです。
尖圭コンジローマの治療方法が知りたいです。
- 尖圭コンジローマの治療法は主に3種類あります。
- 軟膏:免疫力を高める軟膏を患部に塗って、ウイルスの増殖を抑える
- 液体窒素:液体窒素を浸した綿棒をイボにあてて凍らせる
- 炭酸ガスレーザー・電気メス:イボを焼き切る
- 軟膏による治療と、液体窒素・電気メスなどの外科手術を併用することもあります。
- 外科手術はイボを取り除く効果は高いですが、体内に潜伏したウイルスにはアプローチできません。よって、ウイルスを抑制するために軟膏治療が併用されます。
編集部まとめ

尖圭コンジローマは性病の中では比較的重い症状が出にくい病気ですが、放置すると重篤化・不妊のおそれがあります。
もし性器に小さなイボができていたら、早めに病院を受診しましょう。
あわせて、HPVワクチンの接種や、妊娠を希望しない性交渉ではコンドームをつけるといった日々の予防対策も大切です。