1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「心筋梗塞」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?

「心筋梗塞」の症状・原因・発症しやすい人の特徴はご存知ですか?

 公開日:2025/03/19
心筋梗塞は危険な病気

心筋梗塞は、放置すると数分で死に至ることもある病気です。実際に心筋梗塞は、日本人の3大死因の1つに数えられます。
そのため、心筋梗塞を思わせる症状が出た場合は、すみやかに病院で検査・治療を受けることが大切です。
今回は心筋梗塞の原因・症状についてご紹介します。あわせて心筋梗塞のリスクが高い方の特徴や、狭心症との違いについても詳しく解説します。
心筋梗塞による突然死を防ぐためにも、ぜひ最後までご覧ください。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

プロフィールをもっと見る
【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

※この記事はMedical DOCにて『「心筋梗塞」とは?症状・原因・兆候についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

心筋梗塞は危険な病気

ハートを持つ医者

命に関わる病気と聞きますが、心筋梗塞とはどんな病気ですか?

  • 心筋梗塞とは、心臓を影響する冠動脈の血流が何かしらの原因で供給されないために、心臓の筋肉が壊死を起こしている状態です。心筋梗塞の原因は、多くの場合、心臓に血液・栄養を運ぶ冠動脈という太い血管が詰まることです。心筋梗塞によって心筋への血液供給がストップすると、全身への血流を心臓が血液を送りだせなくなるために、最終的には死に至ります。

心筋梗塞を発症した際にみられる症状はどのようなものがあるのでしょうか。

  • 心筋梗塞では、心臓に血液が届かなくなるために次のような症状があらわれます。
  • 強烈な胸の痛み
  • 胸が締め付けられるような苦しさ
  • 冷や汗
  • 吐き気・嘔吐
  • 意識低下
  • 動悸
  • めまい
  • 心筋梗塞の症状は20分以上続くことが一般的です。症状を放置すると、意識混濁・失神・死亡に至ります。人によっては、ある程度心筋梗塞が重症化するまで、自覚症状があらわれないこともあります。

心筋梗塞を発症する原因とは何ですか?

  • 心筋梗塞の原因の多くは動脈硬化です。動脈硬化とは血管が硬く・脆くなる状態です。動脈硬化が起こると血管の壁が分厚くなるため、血管の内部が狭くなり、結果として血流が停滞しやすくなります。さらに血管の内部にプラークなどの物質がへばりつくと、血流は完全にシャットダウンされます。この血流のシャットダウンが冠動脈で起こった状態が心筋梗塞です。ちなみに脳で起こると脳梗塞に至ります。

心筋梗塞を発症しやすい人の特徴などあれば知りたいのですが…

  • 心筋梗塞は動脈硬化から発展するケースが多くみられます。高脂血症、高血圧、糖尿病が原因となり動脈硬化を引き起こし、脳梗塞・心筋梗塞を発症する傾向があります。すなわち心筋梗塞を発症しやすいのは、動脈硬化になりやすい方です。動脈硬化は生活習慣の乱れに起因するケースが多くみられます。たとえば次のような生活習慣に心当たりがある方は、動脈硬化ひいては心筋梗塞のリスクが高いといえます。
  • 脂質・糖質・塩分過剰な食生活
  • 運動不足
  • 睡眠不足
  • ストレス・疲労
  • 喫煙・飲酒
  • 肥満
  • 高血圧・糖尿病などの生活習慣病

狭心症との違いはありますか?

  • 狭心症も心筋梗塞と同じく、冠動脈の狭窄などによって、一時的に心臓に血液が届かなくなる病気です。心筋梗塞と狭心症は、まとめて虚血性心臓疾患と呼ばれます。両者は症状・原因などが非常によく似ていますが、大きく異なる点も存在します。代表的な相違点は、症状の持続時間です。狭心症の症状は長くても20分程度で収束します。理由は、狭心症による虚血状態はあくまで一時的なものであるためです。血管が完全に閉塞しているわけではないため、安静にしていれば血流は自然に再開し、伴って症状も治まります。対して、心筋梗塞は症状が自然に治まることはありません。そのため症状が20~30分以上継続する場合は、心筋梗塞が疑われます。ただし心筋梗塞でも、数時間経過すると胸痛などの症状が途中で止むことがあります。これは症状が治ったのではなく、心筋の壊死によって痛みを感じなくなっただけです。痛みを感じない間にも病態はだんだん悪化していきます。なお、心筋梗塞と狭心症を見分けるために、症状の持続時間を測る必要はありません。虚血性心臓疾患の症状があらわれた場合は、救急車を呼ぶなどして、すみやかに医療機関に搬送してください。

編集部まとめ

胸に手を当てる女性
心筋梗塞は日本人にとって身近な病気の1つです。原因の多くは動脈硬化であるため、まずは動脈硬化の予防を心がけることが大切です。
動脈硬化の多くは、生活習慣の乱れ・生活習慣病に起因します。日頃から規則正しい生活を送ることが、動脈硬化ひいては心筋梗塞の予防につながります。

参考文献

この記事の監修医師

注目記事

S