目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 「迷走神経反射の予防法」はどんなことをすれば良い?治療法も医師が解説!

「迷走神経反射の予防法」はどんなことをすれば良い?治療法も医師が解説!

 公開日:2025/11/07
「迷走神経反射の予防法」はどんなことをすれば良い?治療法も医師が解説!

迷走神経反射とは長時間の立位、あるいは何らかの強い痛み・苦痛・ストレスを感じることで、心拍数が減少したり血圧が下がったりする病気です。 それにより脳への血流量が低下して、意識低下などのさまざまな症状を引き起こします。 今回は聞きなれない病気、迷走神経反射について質問にお答えしましょう。

※この記事はメディカルドックにて『「迷走神経反射」とは?症状・予防法・治療法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

武井 智昭

監修医師
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)

プロフィールをもっと見る
【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。

日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属

迷走神経反射は治る?

聴診器

迷走神経反射は完治するものですか?

  • 迷走神経反射は繰り返すことの多い病気ですが、完治というよりも症状があらわれにくくするのは可能です。そのための生活指導が行われることが多いのです。誘因となるものを無くすことで症状が起きにくくなります。
  • 自分自身でも前駆症状が出た場合にはすぐに横になる・脳貧血を起こしにくい体制で休むなどして備えることも大切です。

迷走神経反射の治療方法や改善方法を教えて下さい。

  • 迷走神経反射の治療方法としては、誘因となることを避ける・失神を回避する方法などの生活指導が多いです。薬の服用が誘因となった場合には服用を中止し、その他の治療としては次のようなことが行われます。
  • 起立調整訓練
  • 薬物療法

迷走神経反射の予防方法を知りたいです。

  • 失神を回避するためには、前駆症状があらわれたときには速やかに横になり頭の位置を低くして休みましょう。起立状態や同じ体形が続く場合には足を動かす・両腕を組んで引っ張るなどの運動を行い、血流を改善するよう気を付けます。
  • 自分がどのような場面でこのような神経反射を起こしやすいのかを把握し、それを回避する努力をすることも大切です。食生活では青魚・ビタミンEを含むカボチャやアボカドなどをとるようにするとよいでしょう。きちんと決まった時間に1日3食、栄養バランスに注意しながら食事をとるようにしてください。また睡眠不足・過度な飲酒・脱水・塩分不足など原因になることに気を付けるのも予防には必要です。

最後に、読者へメッセージがあればお願いします。

  • 迷走神経反射は自分の意思とは関係なく突然起こるため、またなるのではないかと不安に思う人が多いでしょう。この病気の症状はほとんどが一過性のもので、数分間で意識も改善し後遺症も残りません。また訓練次第では克服することのできる病気なので、諦めずに医師に相談してください。
  • 自分自身で迷走神経反射を引き起こす状況を把握する・同じ体勢を続けずに身体を動かすなど対策することで、失神を未然に防ぐのも可能です。工夫しながら症状の軽減と予防に努めてください。

編集部まとめ

笑顔の女性 迷走神経は自律神経の中の神経の1つで、体を落ち着かせるためには重要な神経です。 この神経が何らかの要因で過剰にはたらき、脳への血流が悪くなり脳貧血を起こした状態が迷走神経反射です。 失神する場合もあり不安に感じる病気ではあるのですが、ほとんどが一過性で、ほんの数分で症状は改善します。 ストレスを避ける・睡眠をしっかり取る・過度な飲酒は避けるなど、迷走神経反射の要因を取り除くことが予防には必要です。 失神を防ぐための訓練方法もあります。必要な場合は医師に相談して、前向きに病気と向き合い改善していきましょう。

この記事の監修医師

注目記事