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「ADHDの3つの症状」と”気づくのが遅れる原因”を医師が徹底解説!

 公開日:2025/12/15
「ADHDの3つの症状」と”気づくのが遅れる原因”を医師が徹底解説!

多様性の時代といわれる昨今、個性を尊重する風潮が広がっていく中で未だに自身の個性によって生きづらさを感じている人もいます。
特に最近よく耳にするADHDを抱える人たちはその代表ともいえる存在かもしれません。今回はそんなADHDについて解説していきます。
現在ADHDでお悩みの人も「もしかして」と不安を抱えている人も、ぜひ最後までご覧ください。

※この記事はメディカルドックにて『「ADHD(注意欠如・多動症)」とは?診断・症状・治療法も解説!医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

稲川 優多

監修医師
稲川 優多(医師)

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自治医科大学勤務。医学博士、公認心理師。日本精神神経学会精神科専門医・指導医・認知症診療医、日本老年精神医学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、精神保健指定医。

ADHDでみられる症状と診断

ハートと親子の手

ADHDでみられる症状を教えてください。

  • ADHDの症状は以下の3つに大別されます。
  • 多動性
  • 衝動性
  • 注意欠如
  • まず多動性は落ち着きのない状態のことをいい、じっと座っていられずに意味もなく体を動かしてしまうことです。多動性と言葉の響きが似ている衝動性は「考えてから動く」ということができず、その場面での自身の衝動を優先してしまうあまりに相手の話を遮ったり、順番を守れなかったりといった行動をとってしまいます。
  • ADHDではない子供にもこういった衝動的な行動は度々みられるため、この症状だけだと判断しかねるという人も多いです。そして注意欠如は、忘れ物が多かったり、ケアレスミスを頻発したりなどが挙げられます。大人になってからADHDだと気づく人の多くは、こうした仕事中の注意欠如からというケースが多いようです。

何がきっかけでADHDに気づくことが多いですか?

  • 子供の頃のADHDはご両親を含めた周囲の人間の気付きによるものが主です。
  • しかし、大人になって社会に出ると周囲との協力は避けて通れません。周囲と協力する中で仕事中に他のことを考えてしまったり、感情をコントロールできなかったりと自身の注意欠如や衝動性が目立ち始め、自身への不安、または他人からの指摘をきっかけにADHDを自覚することが多いです。
  • 逆にいえば周囲との人間関係が希薄だとADHDは気づきにくい病気であるといえます。

ADHDはどのように診断されますか?

  • ADHDの診断基準としては以下のようなものがあります。
  • 忘れ物が多いなどの注意欠如がみられる
  • 一定時間静止していられないなどの多動性がみられる
  • 順番を待っていられないなどの衝動性がみられる
  • 上記3つが同年代、または近い年代の水準よりも顕著である
  • 上記3つのうち、いくつかが12歳未満のときからみられる
  • 学校や職場などの自身を取り巻く環境のうち、2つ以上に障害が出ている
  • 人間関係や仕事などに支障をきたしている
  • 上記の症状が精神疾患などによるものではない
  • このように専門的な診断結果の他にも自身で行ったセルフチェックの結果などと合わせて診察を受けるとより鮮明な診断結果が得られます。

編集部まとめ

抱き合う親子現在多くの人が知る発達障害の1つであるADHDに悩む人は多く、成人を迎えてから気づく例が多くあります。
ADHDの多動性や注意力散漫による職場での失敗や失敗に対する周囲からの心無い言葉がきっかけで自身がADHDであることに気づく人や、そこからうつ病などの精神疾患にかかってしまう人も少なくありません。
最近は昔よりもADHDへの理解が深まっているため、医療機関に行く前にセルフチェックを気軽に行うことができます。
「周りと違うかも」と不安に思ったらそのままにはせず、医療機関への相談や治療を検討してみましょう。

この記事の監修医師

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