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大人の「ADHDの症状」は”子どもと何が大きく異なる”か?医師が解説!

 公開日:2025/12/15
大人の「ADHDの症状」は”子どもと何が大きく異なる”か?医師が解説!

多様性の時代といわれる昨今、個性を尊重する風潮が広がっていく中で未だに自身の個性によって生きづらさを感じている人もいます。
特に最近よく耳にするADHDを抱える人たちはその代表ともいえる存在かもしれません。今回はそんなADHDについて解説していきます。
現在ADHDでお悩みの人も「もしかして」と不安を抱えている人も、ぜひ最後までご覧ください。

※この記事はメディカルドックにて『「ADHD(注意欠如・多動症)」とは?診断・症状・治療法も解説!医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

稲川 優多

監修医師
稲川 優多(医師)

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自治医科大学勤務。医学博士、公認心理師。日本精神神経学会精神科専門医・指導医・認知症診療医、日本老年精神医学会専門医・指導医、日本医師会認定産業医、精神保健指定医。

ADHDの特徴

首をかしげる女性

ADHDはどのような病気ですか?

  • ADHDは注意欠如・多動症とも呼ばれ、子供の3〜7%でみられる発達障害です
  • 最近では大人になってから周囲や家族からの指摘によって自身がADHDであることを自覚する人も増えてきています。
  • 主な症状としては注意力散漫(注意欠如)や落ち着きのなさ(多動)が挙げられ、自身で診断できるラインがあいまいであることから精神科・神経科などによる診断が推奨されています。

発生頻度や男女比を教えてください。

  • ADHDは全世界の5%の子供が発症し、そのうち60%が成人まで症状が続くといわれています。
  • 有病率は男児に多く、男女比は2:1~10:1です。
  • しかし、大人になると1:1~2:1と性差があまりなくなります

ADHDの原因は解明されていますか?

  • ADHDの原因はいまだに解明されていません。
  • しかし生物学的要因によって発症するものであるというのが今のところ有力な説とされ、しつけや育て方などの家庭環境との因果関係は認められていません

しつけや育て方が影響するわけではないのですね。

  • 他の家庭に比べて落ち着きや注意力がかけているわが子に対して、しつけや育て方に不安を抱くご両親は少なくありません。
  • しかし、生物学的要因による障害であるとされているため、しつけや育て方によってADHDになるかどうかを左右されることはないというのが多くの医師による見解です。一方で、ADHDの子供に対する接し方の重要性も指摘されています。昔は成長と共に消えていく病気とされていたADHDですが、大人になってから自身がADHDであると気づくケースが多い昨今、ADHDは慢性的な病気であると認識されてきています。
  • ADHDは自信喪失や精神不安定などに陥ると慢性化してしまう可能性があり、これらを防ぐために大切なのがご両親も含めた周囲のサポートです。確かに発症自体にはしつけや育て方は関係ありませんが、その後慢性化するかどうかはご両親を始めとした周囲の環境が左右することもあります。

大人になってからADHDに気づく人もいると聞きます。

  • 大人と子供ではADHDの症状の出方が変わってきます。
  • 子供の頃は落ち着きのなさが目立ちますが、大人になると仕事でのケアレスミスや何度も同じことを注意されたり、タスク管理ができなかったりといった社会生活に支障をきたすような症状が目立ってくることが特徴です。
  • こうした「他とは違う」という認識からセルフチェックによって気づく人が増えています。

編集部まとめ

抱き合う親子現在多くの人が知る発達障害の1つであるADHDに悩む人は多く、成人を迎えてから気づく例が多くあります。
ADHDの多動性や注意力散漫による職場での失敗や失敗に対する周囲からの心無い言葉がきっかけで自身がADHDであることに気づく人や、そこからうつ病などの精神疾患にかかってしまう人も少なくありません。
最近は昔よりもADHDへの理解が深まっているため、医療機関に行く前にセルフチェックを気軽に行うことができます。
「周りと違うかも」と不安に思ったらそのままにはせず、医療機関への相談や治療を検討してみましょう。

この記事の監修医師

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