「嗄声(させい)」の検査・治療法はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/03/17

嗄声は音声障害の症状の一つです。声がガラガラ・声がかすれるなどの音質異常のことを総称して嗄声と呼びます。
嗄声の症状が長引くと会話もままならなくなり、周りとのコミュニケーションに影響がでてしまうため、早めの対処が必要です。
今回は嗄声について、対処法・検査・治療方法についての解説をします。嗄声でお悩みの方は、参考にしてみてください。

監修医師:
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)
プロフィールをもっと見る
【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
※この記事はMedical DOCにて『「嗄声(させい)」とは?原因・症状について詳しく解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
嗄声の対処方法・治療方法
原因が病気ではない場合の対処方法が知りたいです。
- 嗄声はカラオケで歌いすぎたなど、日常の動作でも起こる症状です。日常の動作が原因で嗄声が起こっている場合は、声を使いすぎないように注意をするだけで改善されることもあります。嗄声が起こった場合は、まずできるだけ声帯を休めるようにしましょう。熱いものや刺激のある飲食物を控えてください。
- 喫煙や飲酒が原因の場合は、原因となるタバコ・アルコールを控えることで改善される可能性があります。話をする際は嗄声が落ち着くまで、小声にしたり筆談をしたりするのもよいです。喉にかかる負担を少なくすることを意識してください。
- 炎症が酷い場合など、必要に応じて薬を使用して治療を行います。市販の薬で様子をみてもよいです。声を使う職業の方や早めに改善したい方は、早めに受診しましょう。必要に応じて、トローチや喉スプレーなどの薬を使って改善します。
嗄声の原因を知るために行う検査はありますか?
- 嗄声の原因を特定するには喉の奥の状態を確認する検査が必要です。咽頭ファイバースコープを使った内視鏡検査を行います。癌や神経麻痺を疑われる場合は、CTやMRIを使った詳細な検査が必要です。
- 嗄声の症状がある場合は、まず耳鼻咽喉科を受診しましょう。必要によって呼吸器科や循環器科を紹介されるケースもあります。
病気が隠れていた場合の治療方法を教えてください。
- 検査の結果、病気が原因で嗄声が起こっている場合はその病気に対する治療が必要です。風邪やインフルエンザなら、薬などで疾患の治療をします。
- 声帯ポリープや声帯結節が原因の場合は、声帯への刺激を避けることに気をつけながら、吸入や投薬で声帯の炎症を抑える治療で改善されるケースも多いです。ただ、声をださないなどの対応で改善されない場合は、顕微鏡を使用した外科的な切除手術を行います。
- 喉頭癌が原因の場合は、状態によって放射線治療・抗がん剤治療・手術など、患者さんの状態に適した治療をすることが多いです。腫瘍があっても初期であれば可能な限り喉の機能を温存できるように治療します。
編集部まとめ
声がかすれる・ガラガラする・声がだしにくいなどの症状の総称が嗄声です。嗄声は喉に負担をかけたことによる炎症や、風邪などの疾患が原因で起こる症状になります。
ヘビースモーカーの方や多量の飲酒など普段からの生活習慣がある方や、声を必要とする職業の方は喉に負担がかかりやすく嗄声の症状も起きやすいです。
喫煙や飲酒の量を減らすなど生活習慣の改善や喉に負担をかけない声の出し方の指導を受けるなどの工夫で、嗄声の予防をしましょう。
嗄声には癌などが原因で起こる可能性もあります。原因がわからない場合や、症状が改善しない・悪化するなどの場合は早めに受診をしてください。
参考文献