「巨人症の治療法」はご存知ですか?再発の可能性も医師が解説!
公開日:2025/11/21

巨人症は大人も子供も発症する可能性のある病気で、その特徴的な見た目に悩む方は少なくありません。 それだけでなく、巨人症では下垂体や各種ホルモンに関連したさまざまな症状が現れる可能性があることをご存じでしょうか。 今回は、そんな巨人症の特徴や症状についてご紹介します。大人と子供での症状の違いや、治療方法についても詳しくみていきましょう。
※この記事はメディカルドックにて『「巨人症」は大人と子供で症状が違うってご存知でしたか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)
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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
目次 -INDEX-
巨人症の治療方法とは
巨人症は治療で治る病気ですか?
- 巨人症は、原因である下垂体腺腫を取り除けば治る可能性があります。
- 下垂体腺腫が大きく完全に取り除けないケースもありますが、薬で成長ホルモンをコントロールできれば症状を抑えることは可能です。
- 糖尿病や高血圧を併発している場合は、それらの経過観察もしなければなりません。
- また、命に関わる合併症を起こさないためにも、しっかりと治療を受けることが大切です。
巨人症の治療方法が知りたいです。
- 巨人症の治療方法の多くは、下垂体腺腫の外科的手術が基本となります。
- 鼻腔(鼻の穴)から内視鏡を通して取り除く方法と、開頭といって頭にメスを入れる方法があります。
- 鼻の穴を通るほどの小さい腫瘍であれば内視鏡による切除が可能ですが、腫瘍が大きい場合は開頭術になります。
- どちらも全身麻酔で行われる手術のため、「頭の手術」という面と「全身麻酔」という面の両方で不安を感じる方は少なくありません。
- 不安なことは事前に確認し、解消してから手術に臨むことが大切です。
- 手術で下垂体腺腫が取り切れない場合は、放射線治療を行うケースもあります。
- また、内科的な薬物治療としてソマトスタチンアナログを投与して、成長ホルモン量の減少により、腫瘍も小さくなることが期待できます。
- このほか、ドーパミンアゴニストを使用する場合もあります。
- いずれにしても巨人症の治療は短期間で終わるものではありません。
- 周囲の方のサポートが必要不可欠といえます。
巨人症は再発などするのですか?心配です…
- 手術を受けても、再発の可能性はゼロではありません。
- 下垂体腺腫が大きく取り切れない場合や、下垂体腺腫が周囲の組織に浸潤している場合は治癒できず再発のリスクがあります。
- しかし、放射線治療や薬物療法によって下垂体腺腫を小さくしたりホルモンをコントロールしたりすることは可能です。
- コントロールが上手くいかないと再発や悪化のリスクが高まり、命に関わる状態になりかねません。
- そのため、治療や定期受診を中断しないことが大切です。
最後に、読者へメッセージがあればお願いします。
- 巨人症を発症すると、子供の場合は同年代の子供よりも異常なまでに身長が高くなるという特徴があります。
- 大人の場合は身長ではなく身体の末端が大きくなり、その特徴的な見た目からコンプレックスに感じる方も少なくありません。
- 身体にとって重大な症状を呈することが多く、早期発見・早期治療が重要な病気です。
- 放っておくと命に関わる病気に発展するリスクがあるため、気になる症状があれば医師に相談することをおすすめします。
編集部まとめ
巨人病は下垂体腺腫という良性腫瘍が原因となり、成長ホルモンが過剰分泌されることによって起こる病気です。
高身長や身体の先端の肥大といった見た目の症状だけでなく、糖尿病や高血圧にも注意しなければなりません。
巨人症や先端巨大症を放置すると心臓に負荷をかけたり、甲状腺がん・大腸がんのリスクを高めたりするため早期発見・早期治療が重要です。
下垂体腺腫を手術で取り除いたり放射線治療・薬物療法を併用したりすることで、病気をコントロールすることができます。
「子供の背が伸びすぎではないか?」「顎や鼻が大きくなった気がする」など気になる症状があれば、早めに受診して早期発見・早期治療につなげてください。