「網状皮斑」の検査・治療法はご存知ですか?【医師監修】
公開日:2025/03/15

網状皮斑(もうじょうひはん)は「リベド」「リベドー」とも呼ばれ、主に膝から足先にかけて赤色や紫色をした網目のような模様が現れる病気です。
ほとんどが冬に温度の急激な変化が原因となって起こるもので、一過性の病気です。とくに子どもや若い女性に多くみられます。
症状が一過性でなく、続く場合は感染症や中枢神経障害などの重大な病気が隠れている可能性があるため、注意が必要です。
この記事では網状皮斑は何科を受診すれば良いか・検査・治療方法などを詳しく解説します。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
プロフィールをもっと見る
名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
※この記事はMedical DOCにて『「網状皮斑(赤色や紫色の網目模様) 」ができる原因はご存知ですか?』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。
網状皮斑の診断と治療方法
網状皮斑を疑ったら何科を受診すればよいですか
- 網状皮斑の可能性がある場合はまず皮膚科を受診しましょう。
- 疾患が原因となっている場合は疾患の治療が必要です。
- 膠原病が原因の場合は膠原病内科やリウマチ科など、専門医の治療を受ける必要があります。
診断方法を教えてください。検査はありますか?
- 網状皮斑は皮膚の見た目を調べることで容易に診断できます。
- 網状皮斑は皮膚の変化だけを表す言葉であるため、引き起こす原因となっている基礎疾患を調べることが大切です。
- 原因となっている病気を特定するためには検査が必要です。血液検査・尿検査・レントゲン検査などの精密検査を行い、状況を詳しく調べるために皮膚の一部を採取して顕微鏡で確認する病理検査を行います。
治療方法が知りたいです。
- 網目模様が出る症状が冬にだけ起こり、夏には出ない一過性の場合はとくに治療は必要ありません。
- ただし、症状が重い場合は必要に応じて下記のような治療を行います。
- 保湿
- マッサージ
- 弾性包帯などでうっ血を防止
- 対症療法として血行を良くするビタミンEを飲んだり、ビタミンEを含む軟膏を塗布したりすることがあります。
- 症状が進行して皮膚潰瘍ができた場合は潰瘍の治療を行います。何らかの疾患が原因で網状皮斑が起こっている場合は病気の根本的な治療が必要です。精密検査を受けて原因を特定しましょう。
編集部まとめ
網状皮斑は血行が原因で起こり、冬の寒い時期に寒暖差によって症状が現れる病気です。
子どもや女性に多くみられ、一過性の場合はとくに治療も必要なく患部を暖めると緩和されることが多いです。
しかし、症状が悪化すると皮膚炎や皮膚潰瘍につながるため、網状皮斑が出やすい人は血行をよくして体を冷やさないように注意してください。
寒さに関係なく症状が現れたり持続したりする場合は注意が必要で、何らかの病気が原因となっている可能性があります。
一度皮膚科を受診して原因となっている疾患を治療しましょう。
参考文献