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「胃潰瘍」の症状・原因・なりやすい人の特徴はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/03/24
胃潰瘍の特徴

最近胃の調子が悪い・何となく違和感がある…そんな胃の不調で思い浮かぶのが「胃潰瘍」ではないでしょうか。

胃潰瘍は早期に見つけて、しっかりと治療すれば完治する病気です。

今回は胃潰瘍の特徴について質問にお答えします。症状・原因・なりやすい人もご紹介しています。

また胃潰瘍の治療では食事療法も大切です。食べるのをできるだけ避けたいものも紹介しているので参考にしてください。

中路 幸之助

監修医師
中路 幸之助(医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター)

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1991年兵庫医科大学卒業。医療法人愛晋会中江病院内視鏡治療センター所属。米国内科学会上席会員 日本内科学会総合内科専門医。日本消化器内視鏡学会学術評議員・指導医・専門医。日本消化器病学会本部評議員・指導医・専門医。

※この記事はMedical DOCにて『「胃潰瘍」とは?症状・原因・検査・治療方法についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

胃潰瘍の特徴

パソコンの前で話を聞く医者

胃潰瘍はどのような病気ですか?

  • 食べ物は胃に送られた後、胃酸によって消化されます。この胃酸は強い酸性で、胃は胃粘液を分泌して胃粘膜を作り胃壁を守ります。
  • ところが何らかの理由でこの胃粘液の分泌が正常に行われない場合、胃酸が胃壁を直撃するのです。そのため胃壁は胃酸によりえぐられた状態になります。これが胃潰瘍です。
  • 胃潰瘍が重症化すると出血したり、潰瘍部分に穴が開いてたり、他の臓器に穿通してしまい、緊急内視鏡治療や手術が必要となります。そうなると、それこそ一刻を争う事態となるのです。

主な症状を教えてください

  • 胃潰瘍の初期段階では症状が分かりにくく、何となく胃がもたれる・時々痛むということが続きます。一過性ではなく症状が続く場合には、胃潰瘍を疑い内科や消化器内科を受診しましょう。
    その他胃潰瘍の主な症状には次のようなことが挙げられます。
  • 腹部の痛み
  • 胃の痛み
  • 背中の痛み
  • 吐き気・嘔吐
  • 胸やけがする
  • 便が黒くなる
    このような状態が続く場合には検査を受けましょう。
  • 胃潰瘍が進むと胃壁からの出血で、貧血になったり酷い場合は吐血してしまったりすることがあります。胃壁に穴が開いてしまうと手術が必要になり、また受診が遅れたことで完治しにくい難治性潰瘍となってしまうこともあるのです。初期の段階できちんと治療をすれば早く症状を改善できます。手遅れにならないうちに診察を受けるようにしてください。

何が原因で胃潰瘍になりますか?

  • 胃潰瘍の大きな原因はピロリ菌と鎮痛薬(NSAIDs)といわれています。胃潰瘍というと「ストレス」「暴飲暴食」が原因と思われがちですが、それに加えてピロリ菌が胃の中に存在していることでリスクが高まるのです。
  • 検査でピロリ菌が確認された場合には除菌治療を行います。また市販の鎮痛薬が胃壁を傷つけてしまう場合もあり、服用量や使用回数を超えてしまうとNSAIDs(エヌセイズ)潰瘍を起こすもとになります。鎮痛剤は薬局などで比較的手に入りやすいため、用量用法を確認して間違いのないように服用してください。
  • 刺激の強い食べ物・胃に負担になる食べ物・喫煙・過度な飲酒・ストレスなどは胃潰瘍の誘因となるものです。日頃の生活習慣が大きな要因になる場合もあるので気をつけてください。

胃潰瘍になりやすい人の特徴はありますか?

  • 胃潰瘍になりやすい人はストレスに弱い神経質な人といわれることが多いですが、そんなことはありません。
    胃潰瘍になりやすい人の特徴を挙げてみましょう。
  • ストレス状態が続いている
  • ロリ菌に感染している
  • 辛いものなど刺激物が好き
  • 喫煙者
  • アルコール摂取量が多い
  • 常に鎮痛剤を服用している
    慢性的にストレス状態が続いている人は胃潰瘍のリスクが高いです。また喫煙やアルコールの過度の摂取・刺激の強い食べ物も要注意です。
  • その他ピロリ菌に感染している人や痛み止めとして鎮痛剤を服用している人も注意が必要となります。
  • ピロリ菌に感染している人は胃潰瘍や胃がんに罹りやすいため、定期健診などで検査をして、もし感染している場合はしっかりと除菌してください。また処方された鎮痛剤や市販の鎮痛剤を、日頃から痛み止めとして服用している人は胃の粘膜を保護できるタイプのものに変えましょう。

編集部まとめ

カルテを持つ看護師
今回は胃潰瘍について質問にお答えしました。

胃潰瘍は初期段階で治療を受ければ手術の必要もなく、内服薬で胃酸の分泌を抑え改善していくことが可能です。

受診のタイミングが遅れて出血したり胃壁に穴が開いてしまった場合などには、緊急内視鏡や手術対応となり入院も必要になります。

生活習慣の改善・食事療法などを行い、再発を予防しながらストレスを溜めない日常生活を送るようにしてください。

この記事の監修医師

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