「むし歯」はかなり進んでも”無症状”!?7つのセルフチェック法を歯科医師が解説!
公開日:2025/12/10

「痛くないから大丈夫」という理由から、虫歯ではないだろうと考える方は多いのではないでしょうか。しかし、歯の痛みがなくても虫歯が進行していることも少なくありません。 虫歯が進行すると歯を失うことになりかねないため、早い段階で適切な治療を受けることが大切です。 今回は、そんな虫歯の仕組みと、どのように進行していくのかについて解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「虫歯」とは?自覚症状・予防方法について詳しく解説【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修歯科医師:
吉田 元(歯科医師)
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モアナ歯科 理事長
神奈川歯科大学卒業 神奈川歯科大学口腔外科 モアナ歯科クリニック開業 医療法人奉優会理事長就任 医療法人佑健会理事就任
神奈川歯科大学卒業 神奈川歯科大学口腔外科 モアナ歯科クリニック開業 医療法人奉優会理事長就任 医療法人佑健会理事就任
虫歯の仕組みと進行
虫歯になる仕組みを教えてください。
- 虫歯の原因は、プラーク(歯垢)に含まれる細菌です。
- プラークは歯に付着した汚れの塊のことで、プラークは歯に付着した汚れの事で塊になると歯石になります。歯垢は虫歯を引き起こすだけでなく歯周病のリスクを高めるため、歯に付着したままにしておくのは危険です。
- そんなプラークに含まれる細菌は、糖を栄養にして酸を作り出します。その酸が歯を溶かすことで虫歯が起こるのです。
虫歯はどのように進行していきますか?
- 虫歯は歯の表面から始まり、進行するにつれて歯の中心部を侵していきます。歯は表面からエナメル質・象牙質・歯髄という構造です。さらに歯髄の中には血管や神経が存在する根管があり、歯に栄養を運ぶ大切な役割を果たしています。虫歯は歯の表面に付着したプラークが原因となるため、虫歯の進行も歯の表面から起こります。進行段階についてはこちらを参考にしてください。
- C0:エナメル質に留まる軽度の虫歯
- C1:エナメル質が溶けている状態で黒ずむことがある
- C2:虫歯が象牙質まで進行している状態
- C3:虫歯菌が神経まで達している状態
- C4:歯がほとんど溶けて歯根に達している状態
- このように虫歯の進行段階は5つにわけられています。C0やC1の段階で適切な治療や予防ができれば、進行を防げることも少なくありません。しかし、虫歯を放置するとどんどん進行し、歯を失うことがあるのです。C0からC4までの進行速度は個人差があり、歯磨き習慣・食生活・口呼吸などに左右されることがあります。
自覚症状はありますか?
- 虫歯の症状はさまざまですが、最も自覚しやすいのが痛みです。しかし、初期の虫歯の場合は、痛みを感じるところまで侵されていないため自覚症状はありません。エナメル質は神経から遠く、虫歯菌によって溶けても痛みを感じないからです。
- 虫歯が進行して象牙質が溶けると痛みを感じる場合もありますが、この時点でもまだ痛みがないという方も少なくありません。そして、神経まで到達すると「何もしていなくても痛い」「ズキズキと激痛が走る」といった強い痛みを感じることが多いです。痛みだけで考えると、かなり進行した状態にならないと自覚症状が現れないということがわかります。
- 虫歯の症状は他にも歯が黒ずむ・飲食時にしみるなどがあるため、どのような症状があるか知っておくことで早期発見につなげられるでしょう。
セルフチェックの方法が知りたいです。
- 初期の虫歯の段階で治療を開始できれば、それだけ虫歯の進行を抑えることができます。早期発見・早期治療のためには、セルフチェックをすることが大切です。下記のチェックポイントに当てはまったら、虫歯を疑って歯科医にご相談ください。
- 歯の表面が黒ずんでいる
- 冷たい食べ物や飲み物がしみる
- 熱い食べ物や飲み物がしみる
- 歯に穴が空いている(欠けている部分がある)
- フロスを使うときに引っかかる
- 食べ物を噛むときに痛みがある
- 何もしていなくてもズキズキ痛む
- 歯の表面が黒ずんでいるといっても、見た目でパッとわかる部分ではなく見えにくいところに虫歯ができることも珍しくありません。「歯と歯の間」や「歯と歯茎の溝」は虫歯ができやすい部分のため、虫歯が進行してきて自覚することもあります。少しでも歯の色に変化があれば、虫歯を疑った方がよいでしょう。飲食物でしみたり痛みが出たりするのは、虫歯ではなく歯周病や知覚過敏の可能性もあります。いずれにしても放置してよいものではないため、気になる症状があれば受診を検討してください。
編集部まとめ
虫歯になると歯が痛むというイメージをお持ちの方も多いですが、初期の虫歯では痛みを感じることはほとんどありません。そのため、気づくのが遅れるリスクがあるのが特徴です。
しかし、自覚症状がなくても虫歯が進行しているケースは珍しくありません。
軽度の虫歯ならエナメル質を少し削るだけで済むケースが多いものの、重度になると神経を抜いたり抜歯したりすることになります。
できるだけ歯を削らないためにも、そしてご自身の歯を失わないためにも虫歯の予防や早期発見・早期治療が大切です。
セルフケアやセルフチェックを行いながら、ご自身の歯を大切にしてください。