「扁桃炎の治療中・治療後の注意点」はご存じですか?予後を医師が解説!
公開日:2025/11/18

喉の強い痛みで知られる扁桃炎は、子どもだけでなく大人もかかる病気です。「単なる風邪」と思っていたら、実は扁桃炎だったということもあります。
扁桃炎という病名を知っている方は多いですが、原因や治療方法など詳しくご存じの方はあまり多くありません。
しかし、適切な治療や予防のためには、扁桃炎がどのような病気なのか知っておくことが大切です。
今回は、そんな扁桃炎の予後と注意点を紹介します。
※この記事はメディカルドックにて『「扁桃炎」とは?症状・原因・治療法についても解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
中本 実沙(医師)
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東京女子医科大学病院所属
目次 -INDEX-
扁桃炎の予後と注意点

扁桃炎はどれくらいで治りますか?
- 扁桃炎は自然に治るケースから入院が必要なケースまであり、症状の程度によって治るまでの期間が異なります。
- 2〜3日で解熱する方もいれば、1週間以上症状が続く方もいるのです。
- 入院が必要なケースでは、治療と経過観察のために4日〜1週間ほど入院します。
扁桃炎を繰り返す場合は摘出すると聞いたことがあります…。
- 扁桃炎を繰り返す場合は、扁桃摘出を医師から勧められることがあります。「扁桃炎を繰り返す」という基準は、4歳以上で1年間に4回以上、または扁桃炎インデックス(扁桃炎インデックス=1年間の扁桃炎の罹患回数×罹患年数)が8以上が目安です。
- 扁桃摘出は入院して全身麻酔下で行います。全身麻酔にはリスクもあるため不安になる方もいるでしょう。お子様の手術を検討する場合は、特に不安で躊躇する方も少なくありません。不安なことは医師に相談しながら、摘出するかどうかを決めてください。
治療中や治療後に気をつけることがあれば教えてください。
- 扁桃炎の治療中は、しっかりと休養を取ることが大切です。扁桃炎の原因はウイルスや細菌でも、その背景には疲れやストレスによる免疫力低下が隠されていることも少なくありません。免疫力が低下しているときだからこそ、無理をせず休みましょう。
- また、原因となるウイルスや細菌は咳や痰によって人にうつすリスクがあります。子どもの場合は兄弟にうつさないように注意しましょう。
- また、扁桃炎が治ったからといって油断してはいけません。扁桃炎の原因である感染を防ぐために、手洗い・うがいといった基本的な感染対策を行ってください。
- 乾燥しやすい時期は加湿器を使ったり、水分を取ったりすることも大切です。また、口蓋扁桃に刺激を与えないように、喫煙や飲酒の習慣も見直しましょう。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- 喉の痛みに代表される扁桃炎は、子どもだけでなく大人もかかる病気です。高熱が続くことも多く、強い喉の痛みだけでなく頭痛や食欲不振など辛い症状が現れます。
- 症状が進行すると扁桃周囲膿瘍になるリスクがあるため、「単なる風邪」と思わず症状があれば医師に相談しましょう。扁桃炎を予防するために、しっかり休養を取りバランスのよい食事を心がけることも大切です。
編集部まとめ

扁桃炎は大人もかかる病気で、強い喉の痛みや高熱が特徴です。ウイルスや細菌に感染した口蓋扁桃は赤く腫れ、膿が溜まることもあります。
扁桃炎の原因によっては重い症状が出ることもあり、場合によっては入院しなければなりません。子どもの扁桃炎の原因が溶連菌感染の場合は、合併症にも注意が必要です。
大人も症状が悪化することがあるため、「風邪症状だから大丈夫」と思わず気になる症状があれば受診しましょう。
扁桃炎を繰り返す場合は扁桃を摘出することがあります。最適なタイミングで適切な治療を受けるためにも、喉の痛みや腫れを放置しないでください。
また、ウイルスや細菌に感染しなければ、扁桃炎を防ぐことができます。手洗い・うがいをしっかり行い、水分補給も忘れないようにしましょう。