「歯周病」を発症するとが現れる症状はご存知ですか?原因も解説!【医師監修】
公開日:2025/12/05

歯周病は口の中の病気に止まらず、全身に影響するリスクがあることをご存じでしょうか。歯周病は日本国民の3人に2人がかかるといわれるほど身近な病気です。 しかし、歯周病のことは知っていても、歯周病が及ぼすさまざまなリスクまでは知らないという方も少なくありません。 歯周病が進行すると歯を失うこともあり、それは若い方も例外ではないのです。 今回は歯周病の症状・原因について解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「歯周病」とは?治療法・症状・予防・原因についても解説【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修歯科医師:
柴原 孝彦(東京歯科大学名誉教授)
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1979年東京歯科大学卒業、2004年東京歯科大学主任教授、2012年東京歯科大学市川総合病院口腔がんセンター長、2020年東京歯科大学名誉教授。
著書は「口腔顎顔面外科学(医歯薬出版)」「標準口腔外科学(医学書院)」「カラーアトラス コンサイス口腔外科学(学建書院)」「口腔がん検診 どうするの、どう診るの(クインテッセンス出版)」「衛生士のための看護学大意(医歯薬出版)」「かかりつけ歯科医からはじめる口腔がん検診step1/2/3(医歯薬出版)」「エナメル上皮腫の診療ガイドライン(学術社)」「薬剤・ビスフォスフォネート関連顎骨壊死MRONJ・BRONJ(クインテッセンス出版)」「知っておきたい舌がん(扶桑社)」「口腔がんについて患者さんに説明するときに使える本(医歯薬出版)」など。
著書は「口腔顎顔面外科学(医歯薬出版)」「標準口腔外科学(医学書院)」「カラーアトラス コンサイス口腔外科学(学建書院)」「口腔がん検診 どうするの、どう診るの(クインテッセンス出版)」「衛生士のための看護学大意(医歯薬出版)」「かかりつけ歯科医からはじめる口腔がん検診step1/2/3(医歯薬出版)」「エナメル上皮腫の診療ガイドライン(学術社)」「薬剤・ビスフォスフォネート関連顎骨壊死MRONJ・BRONJ(クインテッセンス出版)」「知っておきたい舌がん(扶桑社)」「口腔がんについて患者さんに説明するときに使える本(医歯薬出版)」など。
歯周病の特徴
歯周病はどのような病気ですか?
- 歯周病とは、歯肉(歯茎)に炎症が起こる病気です。健康な歯と歯肉の間には汚れが入る隙間がほとんどありません。
- しかし、磨き残しや不十分なマウスケアによって口の中に汚れが停滞すると、歯垢(プラーク)として歯と歯肉の間に入り込みます。
- 歯周病が進行すると、歯を支えている歯槽骨が溶けて歯がグラグラしたり抜けたりしてしまいます。
歯周病の原因を教えてください。
- 歯周病の原因は歯垢というもので、歯垢の正体は簡単にいうと「汚れ」です。歯垢は白くてネバネバしていますが、放置すると石灰化して歯石になります。
- 歯垢には歯周病原菌という細菌が含まれ、この細菌から毒素が排出されます。毒素によって歯肉が炎症を起こし、歯槽骨を溶かしたり、全身に影響を及ぼしたりするのです。
- 歯周病の主な原因は歯垢ですが、喫煙や生活習慣が影響することも少なくありません。タバコに含まれる成分は歯肉の血流を悪くするため、喫煙者は非喫煙者よりも高い割合で歯周病にかかることがわかっています。
- それだけでなく、口呼吸による口腔内の乾燥・ストレス・食生活のような日々の生活に関する要因も歯周病の原因になり得ます。
歯周病になるとどのような症状が現れますか?
- 歯周病にかかっても、初期の段階では自覚症状がないことがほとんどです。炎症が起きている状態とはいえ、痛みを感じることはありません。
- そのため、歯周病になってもなかなか気づけないことが多いです。症状が進行していくにつれて、歯肉が赤くなる・歯がグラグラするといった症状が現れます。
- 歯磨きをしているときに歯肉から出血したり、「歯が浮いている感じがする」というのも歯周病の症状の1つです。明らかに歯肉に炎症が起きているとわかる状態までいくと、歯周病が進行している可能性も否定できません。
歯周炎との違いを教えてください。
- 「歯周炎」という歯周病に似た言葉を聞いたことがある方もいるのではないでしょうか。
- 歯周病は大きく分けて「歯肉炎」と「歯周炎」があり、炎症が歯茎に限局している状態が歯肉炎、歯槽骨まで及んだ状態が歯周炎です。歯周炎は「歯槽膿漏」とも呼ばれ、歯槽膿漏の方が一般的に知られています。
- 歯周炎は歯周病の中でも症状が進行した状態を指します。歯周炎まで進行させないことが、歯周病の予防や治療をしていくうえで大切です。
編集部まとめ
歯周病は、30代以上の成人の方であれば誰でもかかるリスクがあります。
歯周病が進行すると、歯の寿命を縮めたり全身に影響したりするリスクがあるため、早期発見・早期治療が重要です。
そして歯周病の原因は「歯垢=歯に停滞した汚れ」のため、日々の丁寧な歯磨きで歯周病を予防できる可能性があります。
しかし、ご自身では丁寧に磨いているつもりでも磨き残しが生じることもあるでしょう。
歯周病の予防や早期発見のために、定期的に歯科検診を受けることをおすすめします。健康な歯と歯肉は、将来のご自身の健康にもつながります。
歯のクリーニングと歯周病のチェックを行っている歯科クリニックも多いです。これらを活用しながら、歯周病の予防や早期発見・早期予防につなげてください。