目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. すぐに受診した方が良い「一過性脳虚血を疑う症状」はご存知ですか?検査法も解説!

すぐに受診した方が良い「一過性脳虚血を疑う症状」はご存知ですか?検査法も解説!

 公開日:2025/12/05
すぐに受診した方が良い「一過性脳虚血を疑う症状」はご存知ですか?検査法も解説!

一過性脳虚血は脳卒中の前触れとしてあらわれます。症状が消失するため放置されがちですが、そのまま脳梗塞に発展することは少なくありません。

その後の重症化を避けるためにも、発症した時点で治療を受けることが大切です。

今回は、一過性脳虚血の検査について解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「一過性脳虚血」とは?症状・原因についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

松澤 宗範

監修医師
松澤 宗範(青山メディカルクリニック)

プロフィールをもっと見る
2014年3月 近畿大学医学部医学科卒業
2014年4月 慶應義塾大学病院初期臨床研修医
2016年4月 慶應義塾大学病院形成外科入局
2016年10月 佐野厚生総合病院形成外科
2017年4月 横浜市立市民病院形成外科
2018年4月 埼玉医科総合医療センター形成外科・美容外科
2018年10月 慶應義塾大学病院形成外科助教休職
2019年2月 銀座美容外科クリニック 分院長
2020年5月 青山メディカルクリニック 開業
所属学会:日本形成外科学会・日本抗加齢医学会・日本アンチエイジング外科学会・日本医学脱毛学会

一過性脳虚血の検査内容や受診目安

救急車をスマホで呼ぶ

一過性脳虚血はどんな検査を行うのでしょうか?

  • 医師による問診・診察の後、脳画像検査を行うことが一般的です。
  • CT検査
  • MRI検査
  • CT検査・MRI検査では、脳の血流停滞・梗塞の有無などを検査できます。脳の血流に異常がある場合は、一過性脳虚血が強く疑われます。あわせて下記のような検査が行われることも多いです。
  • 血液検査
  • 心臓超音波検査
  • 心電図
  • 上記の検査の目的は、一過性脳虚血の原因疾患の特定です。原因疾患を特定することで、より適切な治療が可能となります。

検査にはどのくらい時間がかかりますか?

  • 検査の所要時間は総合で60分が平均的です。内訳をみると、CT検査・MRI検査の所要時間は平均30分前後です。血液検査・エコー検査なども30分ほどかかります。
  • 検査内容は症状に応じて異なるため、所要時間は個人差が大きいのが実情です。

一過性脳虚血を疑う症状や受診の目安を教えてください。

  • 目安となる症状には下記があります。
  • 片方の手足に力が入らない
  • 片方の手足のしびれ
  • まっすぐ歩けない
  • ろれつがまわらない
  • 片目が見えない
  • 一過性脳虚血は症状が短時間であらわれて消える点が最大の特徴です。突然あらわれた症状が、30〜60分程度で消えた場合は注意してください。
  • 受診の目安は症状に気づいた時点です。一過性脳虚血は脳卒中の前触れとしてあらわれることが少なくありません。脳卒中を防ぐためにも、異変に気づいた時点ですぐに病院を受診してください。なお、受診の目安として「ABCD2テストスコア」を利用する方法もあります。
         

  • Age(年齢):60歳以上【1点】
  • Blood pressure(血圧):最高140mmHgまたは最低90mmHg以上【1点】
  • Clinical features(臨床症状):片側の脱力【2点】・脱力を伴わない言語障害【1点】
  • Duration of symptoms(症状持続時間):60分以上【2点】・10-59分【1点】
  • Diabetes(糖尿病):あり【1点】
  •      

  • 上記を採点し、点数が高いほど危険度も高くなります。具体的に、3点以上の場合は速やかに病院を受診してください。たとえ3点未満でも、過信はせずにできる限り早く医師の診察を受けましょう。

編集部まとめ

医師と患者
一過性脳虚血は症状が短時間で消失するため、放置する方は少なくありません。しかし脳卒中の前触れの可能性が高いため、たとえ短時間で回復しても放置はしないでください。

また、健常者の脳構造では、多くの重要な血管が張り巡らされており、そこから脳実質に必要な栄養と酸素が供給されていますが、血管の動脈硬化性変化などによって脳血管の一部が細くなり閉塞してしまうと、脳組織へ十分な酸素や栄養が供給されなくなることで、血流を受けている部分の脳に障害が生じて片麻痺や呂律困難などの症状が引き起こされます。

気になる症状がある場合は、必ず病院を受診しましょう。

この記事の監修医師

注目記事