「結節性紅斑の治療法」はご存知ですか?治療期間についても医師が解説!
公開日:2025/11/21

結節性紅斑(けっせつせいこうはん)は皮膚に500円玉程の大きさの痛みを伴うしこりができる病気です。 赤みがかった斑点は1つではなくいくつもできることが多く、発熱や倦怠感など風邪のような症状が伴うケースもあります。 20〜30代の若い女性に多く発症する病気であり、細菌・ウイルス感染によるものや薬剤へのアレルギー反応など原因は多岐にわたります。 今回は結節性紅斑を発症する原因や症状についてご紹介してきましょう。 診断・検査方法や治療方法などについてもご紹介していきますので、ぜひ参考にしてみてください。
※この記事はメディカルドックにて『「結節性紅斑(けっせつせいこうはん) 」とは?症状・原因・治療法も解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
竹内 想(名古屋大学医学部附属病院)
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名古屋大学医学部附属病院にて勤務。国立大学医学部を卒業後、市中病院にて内科・救急・在宅診療など含めた診療経験を積む。専門領域は専門は皮膚・美容皮膚、一般内科・形成外科・美容外科にも知見。
目次 -INDEX-
結節性紅斑はどんな治療をする?
結節性紅斑は完治するものですか?
- 結節性紅斑は細菌やウイルス感染により発症するケースがもっとも多いといわれています。
- これらの要因であれば安静にして適切な治療を行えば、時間経過と共に快方に向かいます。
- しかし、その他の要因である場合には再発したり症状が慢性化したりするケースも少なくありません。
- 例えば、結核や悪性腫瘍の疾患を抱えている方も発症することがあり、その場合には原因となる疾患の治療が必要です。
- 他にも薬剤アレルギーが原因のケースもあるため、発症原因を特定させることが病気の完治につながります。
結節性紅斑の治療方法を教えてください。
- 結節性紅斑の治療には患部を安静にすることがもっとも重要です。
- そして、症状が軽い場合ならば非ステロイド性の炎症薬や患部の冷却などにより炎症を抑えることができます。
- また、足に症状が出ている場合には血流を良くさせるために、横になり足を上げておく下肢挙上も効果的です。
- それでも症状が治まらないようであれば、ステロイド剤の内服による治療が一般的です。
- 基礎疾患が発症原因である場合には、根本原因となる疾患の治療が必要になるため入院が必要になることもあります。
どのくらいで症状は治まりますか?
- 通常の症例であれば2〜6週間で症状が治まるケースがほとんどです。
- 慢性型であると、一度症状がなくなってから再発することもあります。
- 症状の原因によって治療にかかる期間も異なるため、血液検査や皮膚生検により根本原因を調べることが重要です。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
- 身体にできる湿疹は汗による刺激や金属などの化学物質によるかぶれで生じることがあります。
- その多くの場合は時間と共に自然消失していくものですが、患部が大きくなり圧痛を伴うような場合であれば医師による診断が必要です。
- 結節性紅斑は細菌やウイルス感染により起こることが多く、足以外にも太ももや腕などに症状が広がっていくこともあります。
- 疑わしい症状がある場合には、速やかに皮膚科を受診し専門医による診断を受けることをおすすめします。
編集部まとめ
結節性紅斑は20〜30代の若い女性に多く発症する病気で、その原因はウイルス感染以外にも薬剤へのアレルギー反応が関係することもあります。
また、結核や悪性リンパ腫を含む悪性腫瘍などの基礎疾患を抱えている人にもみられる症状です。
基本的には完治できる病気であり、症状が軽い場合には非ステロイド剤による対症療法で安静にしていれば2〜6週間ほどで症状が治まります。
しかし、根本となる原因が普段使用している薬剤によるアレルギー反応や自身の持病が関係している場合もあります。
そういった場合には原因となる薬剤の使用を中止することや持病の治療などが必要です。
結節性紅斑では通常の湿疹と比べてやや大型であり、触ると痛みがあったり発熱を伴うことが多いという特徴があります。
背景に別の疾患が隠れていることもあるため、結節性紅斑を疑うような症状があれば、お近くの皮膚科を受診されることをおすすめいたします。
参考文献