過敏性腸症候群の人は「セリアック病」を疑った方がよい?診断方法を医師が解説!
公開日:2026/02/22

セリアック病は食物アレルギーの1つで、グルテンに対する自己免疫疾患です。近年日本でも増加傾向にあり、辛い思いをしている方も多いのです。
こちらではセリアック病について解説しています。治療法や診察方法、また注意しなくてはいけない点などについて、さまざまな質問に応えています。
セリアック病について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「セリアック病」とは?症状・食事についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)
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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
目次 -INDEX-
セリアック病の診断方法と注意点

セリアック病の診断方法を教えてください。
- セリアック病の診断方法は血液中にセリアック特有の抗体が含まれるかどうか、また十二指腸の細胞壁の絨毛の損傷の有無で診断します。検査内容としては次のようなものが挙げられます。
- 抗組織トランスグルタミナーゼ抗体検査
- 十二指腸生検
- 脱アミド化グリアジンペプチド抗体検査
- 遺伝子検査
- 上記検査結果を受け、アメリカの消化器病学会の定めるセリアック病の診断基準に則りセリアック病と診断されるのです。この検査については現状では限られた病院で実施しているにすぎません。
- 注意しなくてはいけない点は検査キットを導入しているかどうか、抗体検査が可能かどうかを確認することです。キットを導入していない場合は結果が出るまで長く待たされる可能性があるので気を付けてください。
過敏性腸症候群の人はセリアック病を疑った方がよいですか?
- セリアック病の症状経過は、腹痛と慢性下痢であり、一見すると過敏性腸症候群と診断されることがあります。疾患が進行し重症化すると低栄養の結果として、全身倦怠感や貧血が生じます。過敏性腸症候群は精神的なストレスや自律神経の乱れから、便秘や下痢を繰り返すなど排便に異常をきたす病気です。
- 精神的なものとされストレスを溜めないよう、生活サイクルを整えながら経過を見ます。抗うつ薬を処方されてもなかなか症状が軽減せず、重症化していく場合はセリアック病の可能性を考えることも必要です。
- もしもセリアック病ではないかと思い当たるなら、食生活をグルテンフリーに変えてみましょう。もちろん医師の診断を仰ぐ必要はありますが、グルテンを摂取しないことで症状が改善する場合もあるのです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
- セリアック病は日本ではまれな病気ですが、今後は生活様式の変化などにともない増加することが考えられる病気といえるでしょう。
- 発症してしまうと完治は難しいのですが、グルテンフリーの食生活で症状の軽減や寛解が期待できます。暗い気持ちにならずに定期的に診察を受け、前向きに生活することが大切なのです。
- 注意しなくてはいけない点は、検査は海外に委託しているケースが多いです。例えば、抗筋内膜抗体は日本では測定できず、大学病院などの基幹病院でも海外の医療機関に依頼しております。
編集部まとめ

欧米では比較的知られているセリアック病ですが、パンやパスタといった小麦製品の摂取が多くなった日本でも患者の増加がみられます。
発症までに長い期間がかかることや、発症すると生涯完治することは難しいということから、受け入れ難い病気の1つといえるでしょう。
セリアック病と診断されても、グルテンを摂取しない食生活を続けることで症状は軽減し通常の生活が可能になるのです。
定期的な診断や検査は必要になりますが、病気と上手に付き合いながら前向きに生活していきましょう。
参考文献