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「子宮後屈を疑う4つの症状」は何かご存じですか?受診のタイミングも医師が解説!

 公開日:2025/11/24
「子宮後屈を疑う4つの症状」は何かご存じですか?受診のタイミングも医師が解説!

子宮は女性にとってとても身近で、かつデリケートな臓器です。そんな大切な臓器である子宮が後ろに傾いてしまう、「子宮後屈」という症状があることをご存じでしょうか。

もしも子宮後屈と診断された場合、妊娠や出産への影響はあるのか・治療法はどうなるのかなど、大きな不安を感じても無理はありません。

しかし、子宮後屈がどのような状態であるのかや治療法については、あまり知られていないのも事実です。

そこで今回は、婦人科で子宮後屈と診断されたらどうするかQ&A形式で質問に答えていきます。

浅野 仁覚

監修医師
浅野 仁覚(医師)

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福島県立医科大学大学院卒業。所属:ロイヤルベルクリニック。主な研究内容・論文:切迫早産、先天性サイトメガロウイルス感染症、子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術など。

婦人科で子宮後屈と診断されたらどうする?

説明する医師

子宮後屈に自覚症状はありますか?

  • 子宮後屈の自覚症状があるかどうかは、原因によって個人差があります。全く症状がなく、気づかない場合も少なくありません。その一方で、下記のような症状を引き起こすケースもみられます。
  • 背中の痛み
  • 腰痛
  • 重度の月経痛
  • 性交時の痛み
  • このような症状がみられた場合は、婦人科で診察を受けることが大切です。また、癒着を起こしているかどうかも症状の有無に大きく影響します。
  • 子宮の可動性が保たれている場合は、自覚症状もなく経過観察ですむことが多いです。しかし、子宮内膜症や骨盤内の炎症が原因の癒着が起こっている場合には、上記のような痛みを伴う症状が起こりやすくなります。

婦人科を受診するタイミングを教えてください。

  • 少しでも気になる症状を感じたら、なるべく早めに婦人科を受診することが大切です。
  • 重度の月経痛・性交時の痛み・腰痛・背中の痛みなどだけでなく、生理周期に伴う精神的な症状や頻尿などにも子宮の病気が関係しているケースもあります。
  • 子宮後屈の原因にもなる子宮内膜症や骨盤内の炎症などの病気も、放っておくと悪化する可能性も否めません。1人で悩まず、婦人科を受診しましょう。
  • また、月経時を避けるべきかどうかは、診察の内容によっても異なります。迷ったら、まずは受診をする婦人科にお問い合わせください。

子宮後屈と診断されたらどうすればよいのでしょうか?

  • 子宮後屈であることがわかってからどのように対応していくのかは、症状の有無・癒着の有無によって判断していきます。
  • 生まれつきの子宮後屈や、何らかの理由で子宮が移動し背中側に傾いてしまっただけの場合、自覚症状がないことも少なくありません。その場合は、特に病気とはみなされないため、治療は必要ありません。
  • 患者様自身も何かを行う必要はなく、リラックスして過ごしていただければ結構です。
  • 一方で、子宮内膜症などの病気が原因となっていたり自覚症状を伴ったりするケースでは、積極的に医療が介入して治療を行う必要があります。
  • 原因となっている病気の治療と同時に、癒着がみられる場合には剥離手術も行う場合があります。医師とよく相談し、治療を進めていきましょう。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

  • 子宮は女性にとって特に重要な臓器です。そんな子宮が通常とは逆方向を向いているといわれれば、とても驚いて大きな不安を感じてしまうのも無理はありません。とはいえ、子宮後屈であるだけでは病気ではありません。
  • 特に痛みなどの自覚症状がなく医師からも問題を指摘されていないのであれば、気にしすぎることなくリラックスして過ごしてください。
  • 重度の月経痛や性交時の痛みなど気になる症状がある方は、その旨を医師に伝え、原因となっている病気や癒着などの問題が起きていないかをきちんと調べましょう。
  • 子宮は妊娠・出産にかかわる大切な臓器です。気になる症状や不安を感じる方は、1人で悩まず婦人科を受診してください。

編集部まとめ

ハートを持つ女性
子宮は、女性の人生に寄り添う大切な臓器です。

そんな子宮の位置に異常が出てしまう「子宮後屈」は、症状の有無や癒着の有無によって病気と診断するかどうかが変わるとのことでした。

自覚症状はあるかどうか・医師から問題点の指摘を受けていないかどうかを思い返してみましょう。気になることがあった方は、婦人科を受診することをおすすめします。

重要でデリケートな臓器だからこそ、自分で健康を気にかける必要があります。何か少しでも気になる点があれば放置せず、なるべく早く婦人科を訪れることが大切です。

この記事の監修医師

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