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長い間体が痛い…「線維筋痛症の治療法」はご存じですか?予防法も医師が解説!

 公開日:2025/11/28
長い間体が痛い…「線維筋痛症の治療法」はご存じですか?予防法も医師が解説!

数か月にわたって手足や体など広い範囲に痛みを感じる・違和感があるという人は、もしかしたら線維筋痛症かもしれません。

今回は線維筋痛症の症状や原因など病気の特徴について、みなさまの疑問にお答えしていきます。

治療法・予防する方法なども一緒にみていきましょう。

※この記事はメディカルドックにて『「線維筋痛症」とは?症状についても解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

工藤 孝文

監修医師
工藤 孝文(工藤内科)

プロフィールをもっと見る
みやま市工藤内科 院長・糖尿病内科医・漢方医・統合医療医。福岡大学医学部を卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、福岡県みやま市の工藤内科にて、糖尿病内科・ダイエット外来・漢方治療を専門に、地域診療を行っている。NHK「ガッテン!」「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビ出演多数。著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。YouTube「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」が現在人気を集めている。 
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

線維筋痛症の治療法と予防

飲み薬とお薬手帳

線維筋痛症の治療はどのように行われますか?

  • 原因がわからない病気のため、線維筋痛症を完治するための治療法は確立されていません。そのため、治療目的は痛みの緩和や軽減になります。しかし、早期発見し症状が軽いうちに治療を開始すると症状が改善されるケースも多いため、早めの受診が大切です。
  • 主な治療方法としては薬物療法が挙げられます。神経性疼痛に効き目のある薬や抗うつ薬を投与することで痛みが和らぐという患者さんが多いです。鎮痛薬も痛みの緩和に効果がありますが、アセトアミノフェンが主成分のカロナールは効果的でロキソプロフェンが主成分のロキソニンはあまり効果がみられません。そのため、やみくもに痛み止めを服用するのではなく、病院を受診しきちんと医師に処方された薬を服用しましょう。
  • 痛みが少ない場合は、運動療法や心理療法などの治療を行います。薬物療法とあわせて治療を進めることも多く、医師の診断によって治療方法はさまざまです。

治療法はどのように決まるのでしょうか?

  • 患者さんの症状にあわせて治療法が決まります。薬物療法によって痛みが緩和された・元々あまり痛みがない線維筋痛症の方には運動療法を優先、または薬物と運動をあわせた療法治療を行います。日常生活に支障をきたすほど痛みや違和感が強い人には薬物療法を優先して行い、改善がみられたら運動療法を取り入れていくのです。
  • 運動療法にはストレッチ・マッサージ・ヨガ・理学療法などが挙げられます。適度な運動は痛みの感覚を調整する役割を担うともいわれており、主に全身の筋緊張をほぐしリラックスさせることが目的です。治療により線維筋痛症による痛みや違和感が軽減してきても、運動療法は続けておくと再発予防へも繋がるため適度な運動を習慣化することがおすすめです。
  • 心理療法とはカウンセリングのことで、線維筋痛症の原因とも考えられているストレスの緩和に焦点をあてた治療法となります。線維筋痛症はストレスが原因と断定されてはいませんが、カウンセリングを行いストレスの根源を断つことで痛みを感じなくなる人もみえます。そのため、治療法として取り入れることも多いです。

線維筋痛症の予防方法はありますか?

  • 線維筋痛症は原因がわかっていないため予防することは難しいです。しかし下記のようなことに気をつけていると、病気の予防へつながります。
  • ストレスを溜めない
  • 適度な運動をする
  • バランスの良い食生活を送る
  • 睡眠や休息をきちんと取る
  • 上記のことに気をつけ規則正しい生活を送ることが大切で、疲れを溜めずリラックスできる時間を日々の中に取り入れることが予防方法となります。
  • 誰しも生活の中でストレスを感じることはあるでしょう。しかしストレスを溜め込まないように、発散できる方法を見つけておくのも予防法の1つです。適度な運動やバランスのよい食事がストレスになってしまっては本末転倒のため、ストレスを溜めすぎないよう自分に合った予防法を取り入れましょう。

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

  • 手足のしびれや全身にわたる痛みが長期的にあるとお悩みの方は、線維筋痛症かもしれません。原因不明のため異常なしと診断されることも多く、多少の痛みだからと放置している人もみえます。
  • しかし線維筋痛症は治療を行えば改善できる病気です。医師に異常なしと診断されても、体に痛みや違和感がある場合は違う病院や異なる診療科目を受診してみましょう。

編集部まとめ

お茶を飲む女性(温活)
線維筋痛症はストレスを感じやすい人に発症すると考えられていますが、原因がわからないことからまわりの理解が低く認知している人も多くはありません。

患者さん自身に対して「弱い・甘えている」と思う人もみえ、さらにストレスを与えてしまう場合もあるのです。

薬物療法や運動療法など線維筋痛症にはさまざまな治療方法があり、医師の指導のもと早めに治療を行うと改善がみられる可能性が高いです。

痛みの強さに限らず痛みや違和感が3か月以上あるという方は、まず内科や心療内科を受診してください。

線維筋痛症との診断であれば自分に合った治療法を行い、病気の改善や痛みのない生活を目指しましょう。

この記事の監修医師

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