「麻疹」に抗ウイルス薬はない?治療法と治療中の注意点を医師が解説!
公開日:2025/12/08

はしかは幼少期に誰でもかかる病気というイメージがありますが、1,000人に1人の割合で亡くなるといわれている注意すべき病気でもあります。 大人でも感染する可能性があり、子どもだけが感染する病気ではありません。 また、感染力が非常に強い感染症であることも、はしかの注意点です。 合併症のリスクが決して少なくはないはしかを正しく恐れるには、まずはどんな病気なのか知ることが大切です。 はしかの感染した場合の対処法などについて詳しく解説いたします。
※この記事はメディカルドックにて『「湿疹(皮膚炎)」の原因・薬の選び方や注意点はご存知ですか?医師が監修!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)
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【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
はしかの治療方法とは
はしかはどのような治療をするのですか?
- 麻疹ウイルスに対する抗ウイルス薬はありません。そのため、はしかの治療は、症状を軽くするための対症療法になります。
- 肺炎や中耳炎などの合併症がみられる場合は、抗菌薬を投与します。
- はしかの治療は、安静にして休息をとることがまずは重要です。食事が可能であれば、消化に良い栄養のあるものを食べて体力回復に努めましょう。また、脱水症状に注意する必要があります。こまめな水分補給を忘れないようにしましょう。
入院が必要な場合はありますか?
- 合併症が疑われる場合は入院を必要とすることもあります。高熱が下がらない・呼吸がしづらいなど重い症状がみられる場合は、必ず医療機関に相談しましょう。
- また、合併症のなかには、脳炎のように生死に関わる危険な合併症もあります。感染中に体調の変化など不安なことがあれば、すぐにかかりつけ医や医療機関に相談することが大切です。
最後に、読者へメッセージをお願いします。
- はしかは非常に感染力が強く、重症化する恐れもあるため、決して甘くみてはいけない病気です。はしかは子どもに多い病気のイメージがありますが、大人でも感染します。また、子どもよりも大人のほうが重症化しやすいともいわれています。
- はしかの治療薬はなく、根本的な治療法が確立しているわけではありません。だからこそ、はしかにかからないことが大切です。感染力が高いはしかを確実に予防するためには、ワクチン接種が有効です。
- 免疫を持っているか不安な方は、はしかの罹患歴があるか・2回のワクチン接種歴があるか確認しておきましょう。
編集部まとめ
はしかは、ワクチン接種率の上昇で感染者が少なくなっている病気です。しかし、日本に限らず世界中で感染する危険性があります。
日本ははしかの排除状態に認定されています。
それでもワクチンを摂取していない・1回のワクチン接種のみで充分な免疫が獲得できていない場合、感染する可能性はゼロではありません。
はしかの最も有効な予防方法はワクチンです。
免疫が不十分な方・海外渡航を控えている方・今後妊娠の可能性がある方は、麻疹ワクチン接種を積極的に検討しましょう。