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「境界性パーソナリティ障害」の主な5つの症状はご存知ですか?【医師監修】

 公開日:2025/03/17
境界性パーソナリティ障害の特徴や傾向

さまざまな精神疾患が解明されていくなかで、「境界性パーソナリティ障害」という言葉を耳にすることがあります。

「境界性パーソナリティ障害ってどんな病気?」と詳しく知りたい方に向けて、境界性パーソナリティ障害の診断や男女でなりやすさの違いについて解説します。

工藤 孝文 医師

監修医師
工藤 孝文(医師)

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みやま市工藤内科 院長・糖尿病内科医・漢方医・統合医療医。福岡大学医学部を卒業後、アイルランド、オーストラリアへ留学。現在は、福岡県みやま市の工藤内科にて、糖尿病内科・ダイエット外来・漢方治療を専門に、地域診療を行っている。NHK「ガッテン!」「あさイチ」、日本テレビ「世界一受けたい授業」などテレビ出演多数。著書は50冊以上におよび、Amazonベストセラー多数。YouTube「工藤孝文のかかりつけ医チャンネル」が現在人気を集めている。 
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。

※この記事はMedical DOCにて『「境界性パーソナリティ障害」とは?特徴についても詳しく解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

境界性パーソナリティ障害の特徴や傾向

頭を抱える女性

どんな症状がみられた場合に診断されますか?

  • 境界性パーソナリティ障害は不安定な気分や移り気など、感情に関係する症状が出やすいのが特徴です。代表的な症状としては、恐れ・怒り・変わりやすさ・衝動的行為・自傷が挙げられます。
  • 診断には9つの診断基準があり、このうち5項目に当てはまるようであれば境界性パーソナリティ障害と診断されます。たとえば人に見捨てられないように過剰な努力をする・感情の不安定さ・不適切な怒りなどです。ときに極度のストレスによって妄想的思考や幻覚などの症状も見られることがありますが、これらは一時的なため深刻にならなくてもよい場合がほとんどです。
  • 症状のひとつに挙げられる自傷行為は相手をつなぎとめておくことを目的に行う場合がほとんどですが、深刻な状況になる自傷行為に対しては命に危険が及ばないような対策をする必要があります。

他の病気の症状も発症する場合があると聞きます

  • 境界性パーソナリティ障害の方の多くは、うつ病・不安症・心的外傷後ストレス障害・摂食障害・物質使用障害などを併発する場合があります。
  • 境界性パーソナリティ障害によって対人関係などがうまくいかずにストレスとなり、他の病気を起こしてしまうことがあるのです。薬物やアルコールへの依存もその類のもので、衝動が抑えられなくなり人ではなく物に依存し始めてしまうこともあります。
  • 依存症やうつ病など別の病気で病院を訪れたところ、実は境界性パーソナリティ障害が隠れていたというケースも珍しくありません。自分を責めるのではなく、まずは病気だと認識することが非常に大切です。

男女でなりやすさは違うのでしょうか?

  • 米国の研究結果では女性の方が発症する確率が高いようです。米国の推定有症率は1.6%とされていますが、有症者の75%が女性という研究報告があります。
  • なかでも10代後半から20代の若い女性に多い病気ですが、30〜40代の患者様も増えていて平均年齢が上がりつつあります。

編集部まとめ

笑顔の女性
境界性パーソナリティ障害とは「孤独になりたくない」という恐れからくる怒りや衝動・精神の不安定さのことです。

人格障害といわれることもありますが、精神療法を続けていけば症状の改善が期待できます。

「境界性パーソナリティ障害を抱えている」と認識することで、治療への一歩が踏み出せるのかもしれません。

まずは精神科や心療内科などの専門家に相談をしてみましょう。

この記事の監修医師

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