「アンジェルマン症候群の治療法」はご存じですか?医師が解説!
公開日:2025/11/17

アンジェルマン症候群は先天性疾患の1つです。
身近にアンジェルマン症候群の方がいない場合は、馴染みがなく名前も初めて聞くという方も少なくありません。
お子さんがアンジェルマン症候群だと診断された場合は、どんな疾患かもわからず不安を抱えてしまう保護者の方もいます。
今回は、アンジェルマン症候群についてのお話です。症状や原因、診断方法や治療についての解説をしているため、ぜひ参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「アンジェルマン症候群」とは?症状・特徴・原因についても詳しく解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
武井 智昭(高座渋谷つばさクリニック)
プロフィールをもっと見る
【経歴】
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
平成14年慶應義塾大学医学部を卒業。同年4月より慶應義塾大学病院 にて小児科研修。平成16年に立川共済病院、平成17年平塚共済病院(小児科医長)で勤務のかたわら、平成22年北里大学北里研究所病原微生物分子疫学教室にて研究員を兼任。新生児医療・救急医療・障害者医療などの研鑽を積む。平成24年から横浜市内のクリニックの副院長として日々臨床にあたり、内科領域の診療・訪問診療を行う。平成29年2月より横浜市社会事業協会が開設する「なごみクリニック」の院長に就任。令和2年4月より「高座渋谷つばさクリニック」の院長に就任。
日本小児科学会専門医・指導医、日本小児感染症学会認定 インフェクションコントロールドクター(ICD)、臨床研修指導医(日本小児科学会)、抗菌化学療法認定医
医師+(いしぷらす)所属
目次 -INDEX-
アンジェルマン症候群の治療法や予後の生活

アンジェルマン症候群の治療法は?
- アンジェルマン症候群の原因は染色体の異常です。染色体の異常を治すための治療はありません。
- そのため、治療は症状に対する対症療法が中心です。合併して起こりやすい癲癇には、薬を使い発作が起きないようにコントロールを行い、睡眠障害には睡眠薬を使います。
- 癲癇の症状などへの対症療法に加えて、早い段階で療育を受けることも大切です。
運動機能や脳機能の発達の遅れは?
- 運動機能や脳機能の発達の遅れは、上記でお話したように療育を行いサポートをしていきます。理学療法や作業療法、言語療法でサポートをすることが多いです。
- アンジェルマン症候群の方は、発語は難しいため身振りや道具を使って言語以外でコミュニケーションができる方法を身に着けていくことになります。
療育など周囲のサポートが必要不可欠ですね。
- アンジェルマン症候群の方は生活の中で介護が必要な疾患です。それでも、早い段階で適切な療育を行うことで改善できる部分もあり、できることの幅が広がります。早いうちに療育に臨めるように、発達センターなどへのパイプをつないでおきましょう。
- アンジェルマン症候群の方が生活をしていくうえで、家族のサポートは不可欠です。家族だけではカバーしきれない部分も多いため、学校や自治体のサポートも必要不可欠になります。療育やリハビリ、福祉的な支援を早期から実施することにより身体・言語的な発育が促されることによって、機能障害の悪化を予防し、育っていく場合があります。学校は特別支援学級や特別支援学校に通学となることが多いです。
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
- お子さんがアンジェルマン症候群だと診断されると、あまり馴染みのない病名ということもあるため心配も不安も大きくなります。この疾患については、まだ解明されていないことも多く、根本的な部分を治療する方法もありません。
- また、ご家族の方が今後、介護を続けていくことになる疾患になります。しかし、療育をすることでできることも増え、コミュニケーションが取れて歩くことができれば学校に通うことも可能です。
- 必要なときに必要なサポートが受けられるようにすることが、アンジェルマン症候群の子どもを育てる上で重要になります。困ったときは家族だけで抱え込まず、家族会や専門の機関に相談をしましょう。
編集部まとめ

今回の記事はアンジェルマン症候群についてのお話でした。この疾患は染色体に異常が起こることで発症する疾患で指定難病となっています。
癲癇の発作を起こしたときや誤飲などの事故の危険はありますが、内臓の病気はなく命に係わる疾患ではありません。しかし生活面で介護が必要な疾患です。
ご家族の方は不安になるものですが、療育を受けることで将来的に自分でできることも増えます。
必要であれば、さまざまなサポートを受けることができるため、利用できるサポートは最大限に活用しましょう。