鍼を打つと症状が改善するのはなぜ? メカニズムや効果を鍼灸師が解説!
鍼治療の仕組みはご存じですか? 患部に鍼を打つと症状が改善するメカニズムや効果について、「とまり木鍼灸整骨院」の澤田先生に解説していただきました。
※この記事はMedical DOCにて【【鍼灸師に聞く】鍼治療は「痛い・怖い・つらい」イメージがある…実際どうなの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
監修鍼灸師:
澤田 金悟(とまり木鍼灸整骨院)
編集部
なぜ、鍼を打つと症状が改善するのですか?
澤田先生
現時点で鍼治療のメカニズムは、完全に解明されていません。しかし、「鍼で刺激した部分に血液が集まることによって、老廃物の排出がスムーズになる」「外部刺激に反応して、免疫細胞である白血球の働きが活発になる」など、様々な機能が複合的に働いていると考えられています。
編集部
色々な効果が得られるのですね。
澤田先生
はい。それから、腰痛や肩こりなど痛みに対して鍼治療をおこなう人も多いと思いますが、鍼治療が痛みの緩和に効果があるのは、人が痛みを感じる「閾値」を変化させるからと考えられています。人はある刺激や感覚が閾値を超えると痛みを感じるようにできているのですが、鍼治療にはその閾値を変化させる働きがあります。そのため、痛みを感じにくくなったり、痛みが消失したりするのです。
編集部
経穴にも鍼を打つということですが、医学的に証明されているのですか?
澤田先生
まだ研究が進んでいる段階ですが、鍼やお灸でツボを刺激することの健康効果はWHO(世界保健機関)も認めています。WHOは鍼灸療法により効果が認められるものとして「運動器系(関節炎、リウマチなど)」「神経系(頭痛、めまいなど)」「循環器系(動悸、息切れなど)」など、様々な疾患を挙げています。
編集部
鍼治療は保険が適用されますか?
澤田先生
鍼治療が保険適用になる対象は、神経痛、頸腕症候群、リウマチ、腰痛症など限られています。また、医師による適当な治療手段がなく、医師が鍼の施術を受けることを認める場合には保険が適用となります。