「カリウム」は血圧を下げる?”5つの効果”を管理栄養士が解説!

カリウムの効果とは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「カリウムの効果」とは?不足するとどのような症状が現れる?管理栄養士が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修管理栄養士:
工藤 恭子(管理栄養士)
目次 -INDEX-
「カリウム」とは?

人体に必要なミネラルの一種で、成人の体内には120g~200gのカリウムが含まれています。遊離イオンやリン酸塩、たんぱく質との結合体としてそのほとんどが細胞内にありますが、ごく一部は血液やリンパなどの体液(細胞外液)や骨にも含まれています。
カリウムは、細胞の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。また、神経の興奮性や筋肉の収縮に関わっており、体液のpHバランスを保つ役割も果たしています。ナトリウムを身体の外に出しやすくする作用があるため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。一方、不足するとこれらの働きに影響することはもちろん、脱力感・食欲不振・筋無力症・精神障害・不整脈などの症状がみられることがあります。健康な人では過剰摂取によるリスクは低いですが、腎機能が低下している場合やサプリメントでの極端な摂取によって、高カリウム血症を引き起こすことがあります。また、健康な人は下痢、多量の発汗、利尿剤の服用の場合を除き、カリウム欠乏を起こすことはまずないと言われています。
カリウムの一日の摂取量

・一日の摂取量(目標量)について
3~5歳 男性 1600㎎以上 女性 1400㎎以上
6~7歳 男性 1800㎎以上 女性 1600㎎以上
8~9歳 男性 2000㎎以上 女性 1800㎎以上
10~11歳 男性 2200㎎以上 女性 2000㎎以上
12~14歳 男性 2600㎎以上 女性 2400㎎以上
15歳以上 男性 3000㎎以上 女性 2600㎎以上
妊婦・授乳婦 2600㎎以上
カリウムの効果

ナトリウムを排出する
カリウムには細胞の浸透圧を調節して一定に保つ働きがあります。細胞外液のナトリウムが多くなると浸透圧を調整するために、ナトリウムを排泄して均等を保ちます。そのため、塩分の摂り過ぎを調節するのに役立ちます。
血圧を下げる
体内のナトリウム量が多くなった時に、そのナトリウムによって血圧が上がります。と同時に細胞の浸透圧も変化します。そのためカリウムが浸透圧を調整するために、ナトリウムを体外に排出する効果も持っていることから、血圧が下がります。
筋肉の働きを維持
身体はカリウムとナトリウムが協力して筋肉を動かしています。細胞膜にカリウムイオンとナトリウムイオンが出入りすることで電気信号が発生し、筋肉の収縮・弛緩を起こしています。
体内の水分を調整する
細胞壁にはカリウムとナトリウムのバランスによって働くポンプの機能が備わっています。この機能によって細胞内外の水分量を調整していて、どちらかが多すぎたり少なすぎたりすると働きに支障が起こります。
神経の伝導に関与する
神経細胞の働きは、カリウムイオンとナトリウムイオンが細胞膜の内外で電位差を作り、この電圧の変化によって神経細胞が信号を送り、末端へと伝わる仕組みになります。
カリウムが不足すると現れる症状

むくみ
カリウム不足が間接的にむくみの原因となる可能性がありますが、主な原因は塩分の摂りすぎや水分の排出不全です。カリウムはむくみを予防する補助的な役割を果たします。
高血圧
カリウムの働きである体内の余計な塩分を体外に排出する効果が弱まり、血圧を下げることが難しくなります。
だるさや脱力感
カリウムは細胞の浸透圧を維持しているので、不足すると水分調節がうまくいかず、細胞活動が減退し、だるさや脱力感に繋がります。
筋肉の収縮異常
カリウムは筋肉の収縮に関わっているので、不足すると正常な収縮ができず、筋肉の収縮異常が起き、けいれんを引き起こします。
不整脈
カリウムは筋肉の収縮に関わるため、心臓の収縮にも関わります。不足すること正常な収縮ができず、不整脈の原因になります。
「カリウムの効果」についてよくある質問

ここまでカリウムの効果を紹介しました。ここでは「カリウムの効果」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
カリウムを多く含むフルーツについて教えてください。
工藤 恭子
ドライバナナやドライマンゴー、干し柿など、水分が抜けている加工食品はやはり100g当たりのカリウム含有量が非常に多いですが、ドライフルーツは果実が濃縮されて糖分が多くなるため、食べ過ぎには注意が必要です。バナナは果物のなかではカリウム含有量が多く、生でも手軽に食べられるのでお勧めです。だた、生のフルーツにも果糖が多く含まれていますので、食べ過ぎに注意が必要です。
カリウムが不足している際、何をどのように摂取すると効率的ですか?
工藤 恭子
カリウムは、緑黄色野菜や果物、海藻、豆類、いも類などに多く含まれています。ただ、水に溶けやすい性質があるため、レンジで加熱する、スープなどにして汁ごと食べるといった方法がお勧めです。また、果物は生のまま食べることが出来るので効率的にカリウムを摂ることが出来ます。医師の診断によって、グルコンサンK(グルコン酸カリウム)や、アスパラカリウム(アスパラギン酸カリウム)、塩化カリウムといったカリウム製剤(経口剤)が処方される場合があります。
まとめ
カリウムは人間にとって欠かせない必須ミネラルの一つです。細胞内液の浸透圧を調節する他、神経伝達や筋肉の収縮、ナトリウムの排出などさまざまな役割を担っています。そのため、不足しても過剰でもこれらの働きに異常が出る他、だるさや脱力感、筋力の低下、痙攣(けいれん)などの症状を引き起こす恐れがあります。基本的にはカリウムはたくさんの食品に含まれているため、通常の食生活を送っていれば不足することはありませんが、下痢や嘔吐、大量の発汗、利尿剤の服用の場合は低カリウム血症を引き起こします。また過剰摂取は高カリウム血症を引き起こす恐れがありますが、腎機能が正常であれば尿としてカリウムを体外に排出するため心配する必要はほとんどないといえます。
「カリウム」と関連する病気
「カリウム」と関連する病気は6個ほどあります。各病気の症状・原因・治療方法など詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
整形外科の病気
- しびれ
- 筋肉のけいれん
内科の病気
- 脱力感
- 食欲不振
「カリウム」と関連する症状
「カリウム」と関連している、似ている症状は6個ほどあります。各症状・原因・治療方法などについての詳細はリンクからメディカルドックの解説記事をご覧ください。
関連する症状
- むくみ
- だるさ
- 脱力感
- 食欲不振
- しびれ
- 筋肉のけいれん