胃カメラ・大腸カメラの「苦痛」は避けられる! 最新検査と40歳から受けるべき理由【医師解説】

内視鏡検査は、消化管の異常を発見するために重要な検査ですが、「痛い」「つらい」「苦しい」というイメージを持つ人も多いのではないでしょうか。そのため、検査を避けてしまい、結果として病気の発見が遅れるケースも少なくありません。しかし、近年の医療技術の進歩により、内視鏡検査は以前よりもずっと楽に受けられるようになっています。そこで今回は、内視鏡検査で痛みや苦しみを感じる要因などを、「日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック」の石岡先生に解説していただきました。

監修医師:
石岡 充彬(日本橋人形町消化器・内視鏡クリニック)
編集部
内視鏡検査を受けた方がいい人の特徴はありますか?
石岡先生
胃痛や胸焼け、慢性的な下痢や便秘などの症状がある場合は、消化管に異常がある可能性が高いため、内視鏡検査を受けて原因を特定し、適切な治療を受けましょう。便潜血検査で陽性だったという人や、胃のバリウム検査で異常を指摘された人も、速やかに内視鏡検査を受けるべきです。また、症状がなくても、年齢とともに胃がんや大腸がんのリスクが高まるため、少なくとも40歳を過ぎたら、定期的な検査を受けることが推奨されます。家族に大腸がんや胃がんの既往がある人は、遺伝的な要因でがんのリスクが高まるため、より早い段階から定期的な検査を検討するといいでしょう。
編集部
内視鏡検査は「痛い・つらい・苦しい」と聞きますが、本当ですか?
石岡先生
胃カメラに対して、マイナスなイメージを持つ人が多いのは、挿入時の嘔吐反射や喉の違和感が主な原因です。特に嘔吐反射が強いと、カメラが喉に触れることで「オエッ」とえづくことがあり、これが苦痛につながることが多いのです。また、検査中に胃の中に空気を送り込むため、お腹の張りを感じることもあります。
編集部
大腸カメラも同じですか?
石岡先生
大腸カメラは、カメラを挿入する際の腸の伸展による違和感や痛みに、不快感を覚えるかもしれません。大腸は曲がりくねっているため、カメラをスムーズに進めるには検査者側の技術が必要です。また、検査中に腸を膨らませるために空気を送り込むことが一般的ですが、その際の腹部の張りを不快に感じることもあります。さらに、大腸カメラの検査前には、腸内を綺麗にするため、下剤を服用する必要があります。従来は2リットル近い液体の下剤を飲む必要があり、多くの人がこの過程を苦痛に感じていました。
編集部
実際はどうなのでしょうか?
石岡先生
たしかに、内視鏡検査は不快なイメージがあるものの、技術の進歩によって従来よりも大幅に楽に受けられるようになっています。機器の改良により、カメラの挿入がスムーズになっただけでなく、鎮静剤や炭酸ガスの活用によって、検査中の苦痛を最小限に抑えることが可能です。
※この記事はメディカルドックにて<痛い・つらい・苦しい…「内視鏡検査」を楽に受けるコツはご存じですか? 医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




