いびき・睡眠時無呼吸症候群のレーザー治療とは?切らずに気道を開く仕組みと費用・持続効果を医師が解説

いびきでお悩みの方や家族に指摘をされている方の中には、治療を検討されている方もいることでしょう。いびきは心筋梗塞や脳梗塞、交通事故による突然死のリスクを高めることが知られています。では、どんな治療があるのか。そこで、いびき・SAS(睡眠時無呼吸症候群)のレーザー治療について、皆川クリニックの皆川先生に解説してもらいました。

監修医師:
皆川 真吾(皆川クリニック)
編集部
症状を軽減するためにはどうしたら良いのでしょうか?
皆川先生
外科的治療がいくつかあります。鼻腔を広げたり、レーザーで咽頭部の口蓋垂を切除したりする手術などです。根治が期待できる一方で、術後しばらく食事や会話などが制限されることがあります。
編集部
手術が怖い、会話ができないことで仕事に支障をきたすのは避けたいといった人はどうしたらいいですか?
皆川先生
例えば当院で行っているような特殊なレーザーを使い、咽頭部を切らずに引き締めることで気道を開く治療もあります。レーザー治療の直後から、通常の飲食や会話が可能です。
編集部
レーザー治療は安全なのでしょうか?
皆川先生
レーザーといってもさまざまな種類や治療機器がありますが、時代とともに研究が進み、安全性はどんどん高くなっています。例えば当院で導入しているレーザー機器は欧州を中心に世界中で使用されており、安全性が高いことが証明されています。照射した組織を焦がすことなく熱を伝える事ができるため、治療中も痛みを感じないことがほとんどです。
編集部
レーザー治療について、ほかに知っておいた方がいいことはありますか?
皆川先生
保険が適用されないため自費になってしまうことや、一回の治療で効果が永続するというわけではなく、数回の治療が必要で、その後の効果は1年程度であることには注意が必要です。また、効果には個人差があり、高度の肥満の方やSASそのものが重症の方、気道や鼻腔がもともと狭い方などは、完全に症状を無くすことは難しいと思われます。
編集部
最後にメディカルドックの読者へメッセージをお願いします。
皆川先生
いびきを自覚していない人や、いびきを自覚していながらも「いびきは病気でない」と思って放置している方が多いと感じます。しかし、いびきは単純に音だけの問題ではなく、多くの場合SASが関連していると考えられています。中には重症なSASの人もいるため、まずは医療機関で検査をしてもらうことをお勧めします。SASと診断され、外科的治療に抵抗のある人はレーザー治療を検討してみてもいいと思います。
※この記事はメディカルドックにて<「心筋梗塞」や「脳梗塞」を予防! 原因につながるイビキの治療を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。




