頭痛我慢していませんか? 医師が教える「あなたの頭痛」がどんな種類か知る【医師が解説】

「頭痛持ちの体質だから」「いつものことだから」と我慢している頭痛、じつは病院で治療ができるかもしれません。原因や症状に合わせて適切な対策を講じることで、つらい頭痛を軽減し、日常生活を快適に過ごせる可能性があります。今回は、一次性頭痛について、「つだぬま頭痛・脳神経外科クリニック」の寺尾先生に解説していただきました。

監修医師:
寺尾 健(つだぬま頭痛・脳神経外科クリニック)
編集部
一次性頭痛の場合は、病院に行かなくてもいいのでしょうか?
寺尾先生
たしかに、二次性頭痛と比べると、早急な受診の必要はないかもしれません。しかし、最近は「頭痛外来」といった頭痛の緩和や予防を目的とした診療科も増えてきているので、頭痛に悩む人はぜひ活用していただけたらと思います。一次性頭痛に命の危険はないものの生活の質が下がるので、無理に我慢する必要はありません。
編集部
頭痛外来では、どのようなことをするのですか?
寺尾先生
まずは頭痛がどんな種類で、どのように起こっているのかを適切に診断し、適切な治療を提案します。例えば、一次性頭痛の中にもいくつかの種類があり、日本人に最も多い「緊張型頭痛」、生活に支障をきたすことが多いとされる「片頭痛」、ほかにも群発頭痛などの「三叉神経・自律神経性頭痛」などに分けられます。
編集部
それぞれについて教えてください。
寺尾先生
緊張型頭痛は、頭や後頭部が締めつけられるように痛むのが特徴で、デスクワークやスマートフォンの操作、ストレスなどによって肩や首の筋肉が長時間緊張してしまうことで発生します。ほかにも、眼精疲労や睡眠不足が原因になると言われています。治療法としては鎮痛剤のほか、筋肉をリラックスさせて血行を良くするための体操や低周波治療、筋緊張改善剤や抗不安薬などの薬物療法があります。
編集部
片頭痛についてはいかがでしょうか?
寺尾先生
片頭痛は、頭の片側または両側がズキズキと脈打つように痛む頭痛で、吐き気や嘔吐を伴ったり、光や音に敏感になったりすることもあるのが特徴です。痛みの発作時には鎮痛薬が用いられ、症状によっては吐き気を抑える薬などを併用することもあります。日本人の約8.4%は片頭痛持ちと言われています。
編集部
多くの人が頭痛に悩まされているのですね。
寺尾先生
特に働き盛りの年齢層に多くみられ、ときに仕事ができなくなるほどの強い頭痛が起こるため、社会における経済的損失が年間約3600億~2兆3000億円とも言われています。そうした背景から、片頭痛については痛みに対する治療だけでなく「予防療法」をおこなうことがあります。様々な予防方法がある中で、特に2021年からは我が国においても「抗CGRP関連抗体薬」という片頭痛に特化した新しい予防治療が導入されています。
※この記事はMedical DOCにて<つらい頭痛、我慢していませんか? 頭痛の対処法・病院で受けられる治療法を医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。