「薬が多すぎる! 」と感じたら読んで欲しい! 「多剤服用」を総合的に見直す方法【医師が解説】

高齢になると、複数の疾患を抱えることが増え、診療科を受診するたびに薬の数が増えていくことがあります。たくさんの薬を飲めば、それだけ体に良いというわけではありません。 そこで、多剤服用(ポリファーマシー)を防ぐためにはどのようにすればよいのかについて、「あゆみ野クリニック」の岩崎先生に解説してもらいました。

監修医師:
岩崎 鋼(医療法人仙豆会いこいクリニック)
編集部
多剤服用を防ぐにはどうしたら良いのでしょうか?
岩崎先生
日本老年学会は「健康長寿診療ハンドブック」において、例えば「可能な限り非薬物療法を行う」「明確なエンドポイントを設定して処方する」など、いくつかの指針を示しています。
編集部
もう少しわかりやすく教えてください。
岩崎先生
わかりやすく言うと、「運動療法や生活改善など、薬以外の方法でも改善が期待できる場合はそうする」ということと、薬を出す際「まず1ヶ月飲んで、その後どうするかはもう一度見直しましょう」「数値が〇〇になったら飲むのをやめましょう」などの基準・目標を決めて処方すると言うことです。
編集部
では、すでに多剤服用となってしまっているケースはどうしたら良いでしょうか?
岩崎先生
やはり、医師に相談するのが良いでしょう。その際「老年内科」など、総合的に診てくれる診療科に相談するのがお勧めです。または、それぞれの主治医に「この年齢では薬はなるべく減らしたいので、この薬を止められないか」と相談してみても良いかと思います。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージをお願いします。
岩崎先生
例えば高齢で活動性も落ち、認知症もあるなどの要介護高齢者が必要な薬というのは、若い方が必要な薬とは優先順位が異なります。要介護高齢者のポリファーマシーに対し、薬を減らす際は便秘・不眠・痛みなど、現時点で困っている症状に対する薬を優先することが大事だと考えています。
※この記事はMedical DOCにて<高齢者にとって「多剤服用」が危険な理由 掛かる病院が増えると薬も増える悪循環>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。