立ちくらみ・異常な眠気が1週間以上続く「起立性調節障害」の見分け方を医師解説

「朝起きるのがつらい」「立ちくらみやめまいが頻繁に起こる」。このような症状に悩む思春期の子どもたちに多い疾患が「起立性調節障害」です。本記事では、園ペインクリニックの松本先生に、起立性調節障害の検査と治療について詳しくお話を伺いました。

監修医師:
松本 園子(園ペインクリニック)
編集部
起立性調節障害の可能性のある人が病院を受診すべき症状やセルフチェックの方法を教えてください。
松本先生
朝起きられない、立ち上がるときにめまいやふらつきがある、疲れが数日以上続く場合は、医療機関での診察を検討してください。また、学校や日常生活に支障をきたしている場合や、頭痛や吐き気を頻繁に感じる場合も注意が必要です。セルフチェックとしては、「座っているよりも立っているときに症状が悪化するか」「日中に異常な眠気があるか」を確認してください。これらの症状が1週間以上続く場合は、早めに病院を受診しましょう。
編集部
病院ではどのような検査を受けることになりますか?
松本先生
病院では、まず問診を通じて症状の詳細を確認します。その後、血圧測定や心電図、血液検査が一般的に行われます。また、「起立試験(立ち上がったときの血圧や心拍数の変化を調べる検査)」も実施されます。必要に応じて、脳の血流や内分泌機能を調べる追加検査が行われることもあります。これにより、ほかの疾患との区別がつきやすくなります。
編集部
この疾患の治療方法について教えてください。
松本先生
治療方法は、生活習慣の改善が基本です。例えば、規則正しい睡眠時間を確保し、バランスの取れた食事を摂ることが大切です。また、水分や塩分を適切に摂取することで症状が緩和される場合もあります。軽度の症状には漢方薬が使われることが多く、副作用が少ないため子どもにも適しています。ただし、重症例では抗うつ薬や血圧を安定させる薬が処方されることがあります。
※この記事はMedical DOCにて<「朝起きるのがつらい」起立性調節障害に効果的な漢方薬を医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。