目のクマはタイプで治療法が違う? セルフケアの限界を医師解説

目の下のクマに悩む人は多いと思いますが、原因やなりやすい人の特徴はご存じですか? 目の下にクマがあると、男女問わず実年齢よりも老けて見えたり、疲れて見えたりなど、他人に好印象を与えません。クマ対策で重要なのは、肌質に合わせて適切に対処することです。今回は、医療機関で受けられる目のクマの治療について、「アンジークリニック」の名倉先生に教えていただきました。

監修医師:
名倉 直彌(アンジークリニック)
編集部
医療機関では、どのようなクマ治療を受けることができるのですか?
名倉先生
当院では、脂肪の突出が原因となって起きている黒クマや赤クマの場合には、下まぶたの裏側から脂肪を取り出し、クマやたるみを改善する「切らないクマ取り」が人気です。ダウンタイムは長くても1週間程度で、仕事などを休む必要はありません。
編集部
そのほかには、どのような施術がありますか?
名倉先生
紫外線によるシミなどが原因となって色素が沈着し、茶クマが起きている場合にはレーザー治療によってシミを取り除くことができます。また、レーザーに比べて肌に優しく、治療後の色素沈着を起こしにくいピコトーニングも、茶クマの治療には有効です。そのほか、トラネキサム酸が配合されているクリームも使用することがあります。
編集部
レーザーやクリームでクマが治るのですね。
名倉先生
ただし、目の下の皮膚はとても薄く、シミが代謝されにくいという問題があります。そのため、茶クマを治すには根気よく治療を続ける必要があります。あわせて、日常生活では「こすらない」「刺激しない」なども心がけましょう。
編集部
青クマも医療機関で治すことができるのですか?
名倉先生
レーザーで熱を与える治療をすると、血行がよくなることもあります。ただし実際は、2~3種類のクマが重なって出現している人がほとんどなので、どのタイプのクマが出現しているのかを正確に見極め、複数の治療を組み合わせておこなう必要があります。クマの治療はオーダーメイドと言っても過言ではなく、その人にあった治療を進めることが大切です。
編集部
脂肪を切除したり、レーザーを当てたりする治療をしたくないという場合は、どうしたらいいのでしょうか?
名倉先生
最近は、肌を育成する成分を直接皮膚に注射する「ベビーコラーゲン」や「プルリアル」といった治療が登場しており、その注射を目の下に繰り返すことで、肌の段差を滑らかにしたり、茶クマの色素を薄くしたりする効果が期待できます。場合によっては、治療が難しい赤クマなどにも効果が期待できるので、興味があればぜひ医師に相談してみてください。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
名倉先生
ご自身のクマが一体どのタイプのものなのか、簡単に見分けがつかないこともあるため、まずは専門医の診察を受け、自分のクマがどのタイプなのか、正確に判断することが必要です。また、どの治療をすれば何が改善するのかも、医師にしっかり見立ててもらいましょう。自分のクマのタイプに合わせて、適切な治療法を提案してくれる医師のもとで診察を受けてほしいと思います。
※この記事はMedical DOCにて<「目の下のクマ」の原因・なりやすい人の特徴はご存じですか? クマの種類別の対処法・治し方も医師が徹底解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。