ただの頭痛と思って放置すると危険? 働き盛りに多い「一次性頭痛」の怖さを医師解説

頭痛に悩む日本人は多いと言われています。特に片頭痛は、日常生活に支障をきたすことも多く、適切な管理が重要なのだそうです。今回は、一次性頭痛について、「つだぬま頭痛・脳神経外科クリニック」の寺尾先生に解説していただきました。

監修医師:
寺尾 健(つだぬま頭痛・脳神経外科クリニック)
編集部
一次性頭痛について教えてください。
寺尾先生
主な一次性頭痛としては「片頭痛」と「緊張型頭痛」があります。ほかには群発頭痛などの「三叉神経・自律神経性頭痛」も一次性頭痛です。このうち、日本人に最も多くみられるのは緊張型頭痛で、頭や後頭部が締め付けられる、重い感じがするように痛むのが特徴です。
編集部
群発頭痛はどんな頭痛ですか?
寺尾先生
群発頭痛は、片側の目の周りに、えぐられるような強い痛みが起こる頭痛です。女性よりも男性に多く、じっとしていられないほどの痛みとともに「涙が出る」「鼻水が出る」などの症状を伴います。頭痛は定期的に起こり、突然激しい痛みが15分~3時間ほど現れる時期がまとまって(群発的に)起こります。そうでないときには頭痛がないのも特徴です。
編集部
では、片頭痛は?
寺尾先生
片頭痛とは、頭の片側または両側がズキンズキンと脈打つように痛み、体を動かしたり頭を振ったりすると痛みが増す頭痛です。吐き気や嘔吐を伴うこともあり、光や音、においに対して敏感になることもあります。緊張型頭痛ほど多くはありませんが、片頭痛に悩む人も多く、日本人の約8.4%は片頭痛持ちと言われています。
編集部
そんなにたくさんいらっしゃるのですね。
寺尾先生
はい。特に20〜40代の「働き盛り」と呼ばれる年齢層に多いですが、小・中学生、高校生にもみられます。動けないほどの強い頭痛が起こるため、「登校できない」「仕事に行けない」などで社会における経済的損失も相当なものと言われています。
※この記事はMedical DOCにて<「片頭痛」の特徴的な症状はご存じですか? 予防薬を飲む際の注意点や対処法も医師が解説!>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。