顔の激痛の正体は? 「三叉神経痛」の診断方法と治療法を医師解説

顔の片側に突然現れる鋭い痛み、これが「三叉神経痛」の主な症状です。この病気は顔面の感覚を司る三叉神経に問題が生じることで発症します。三叉神経痛の治療にはさまざまな方法がありますが、なかでも「神経ブロック注射」は痛みの軽減に大きな効果をもたらす治療法として注目されています。本記事では、三叉神経痛の検査と治療について、園ペインクリニック院長の松本先生に解説していただきました。

監修医師:
松本 園子(園ペインクリニック)
編集部
三叉神経痛の診断にはどのような検査が行われますか?
松本先生
診断では、まず患者さんの症状を詳しく伺います。痛みがどのようなタイミングで起こり、どれくらいの頻度で発生するかを確認します。その後、MRIやCTを使用して、腫瘍や血管の圧迫の有無を確認します。また、神経ブロック注射を試し、痛みが軽減するかを観察することで、三叉神経痛であるかを判断する補助的な手段として用いることもあります。
編集部
三叉神経痛の治療方法について教えてください。
松本先生
治療の第一選択は、抗てんかん薬であるカルバマゼピンを使用する内服治療です。この薬は神経の興奮を抑え、痛みを緩和する効果があります。ただし、内服薬が効かない場合や副作用が強い場合には、神経ブロック注射が効果的です。また、症状が重度で薬や注射で改善が見られない場合には、放射線治療や外科手術が適用されることもあります。
編集部
神経ブロック注射の治療方法について詳しく教えてください。
松本先生
神経ブロック注射は、痛みの原因となる神経周囲に薬を注射して神経を一時的に鎮静化する治療法です。この注射は、炎症を抑えたり、神経の過敏状態を改善したりすることで、短期間で痛みを和らげます。また、この治療は痛みの部位や原因を特定するための診断ツールとしても使用されます。施術時間が短く、即効性が期待できる点が大きな特徴です。
※この記事はMedical DOCにて<顔に激しい痛みが起こる「三叉神経痛」どのような治療で痛みを和らげるのか医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。