顔の片側だけ突然痛む… 「三叉神経痛」の初期症状と原因を医師が解説

顔の片側に突然現れる鋭い痛み、これが「三叉神経痛」の主な症状です。この病気は顔面の感覚を司る三叉神経に問題が生じることで発症します。本記事では、三叉神経痛の基本的な知識や初期症状について、園ペインクリニック院長の松本先生に解説していただきました。

監修医師:
松本 園子(園ペインクリニック)
編集部
三叉神経とはどの部分に存在し、どのような働きを持つ神経なのでしょうか?
松本先生
三叉神経は、顔の感覚を担当する神経です。この神経は脳の奥にある「三叉神経節」という部分から3本の枝に分かれています。第1枝は目の上に広がり、おでこや頭皮の感覚を担当します。第2枝は頬や上あご、第3枝は下あごや口の周りの感覚を司っています。これらの神経が損傷や圧迫を受けると、顔の一部に痛みやしびれが現れることがあります。
編集部
三叉神経痛は具体的にどのような病気なのでしょうか?
松本先生
三叉神経痛は、顔の一部に突然激しい痛みが走る病気です。この痛みは「電気が走るような感覚」と形容され、顔の片側に限定して現れるのが特徴です。痛みは数秒から数分で収まることが多いですが、刺激によって繰り返し発生します。例えば、冷たい風に当たる、顔を洗う、歯磨き中に触れるといった日常の動作が引き金になります。原因としては、血管が神経を圧迫している場合や腫瘍が関与している場合があるため、MRI検査を行い原因を特定する場合もあります。
編集部
三叉神経痛の初期症状について教えてください。
松本先生
初期症状としては、特定の刺激で顔に突然鋭い痛みが走ることが挙げられます。痛みの特徴は、冷たい風や歯磨き、食事中の動作が引き金になることです。症状が現れるのは顔の片側だけで、痛みは瞬間的に現れて消えるのが一般的です。また、寒い季節には症状が悪化することがあるため、この時期に症状が現れたら早めの受診をお勧めします。
※この記事はMedical DOCにて<顔に激しい痛みが起こる「三叉神経痛」どのような治療で痛みを和らげるのか医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。