親指の痛みは日常生活に支障も…「母指CM関節症」の診断と治療法を医師解説

親指の付け根に痛みを感じたとき、それがどういった疾患によるものかを自分で判断するのは難しいものです。腱鞘炎やリウマチも考えられますが、「母指CM関節症」の可能性もあります。そこで、母指CM関節症の診断方法や治療法について、片岡利行先生(かたおか整形外科手の外科クリニック)に話を聞きました。

監修医師:
片岡 利行(かたおか整形外科手の外科クリニック)
編集部
医療機関に相談した場合、どのようにして母指CM関節症と診断されるのですか?
片岡先生
親指の付け根の関節部分に腫れがあって、その部分を押したときや、親指を手の甲側に強く動かしたときに疼痛が出現した場合、母指CM関節症の可能性が高いと言えます。確定診断のためにはさらに単純レントゲンを撮り、関節の空間が小さくなっていたり、消失していたりといった所見や、周囲の骨のとげのようなものを確認します。
編集部
母指CM関節症と診断された場合、医療機関ではどのような治療をするのですか?
片岡先生
まずは痛みの出にくい動作指導を行い、痛みや炎症を抑える外用薬や親指の動きを少し制限する装具を使用します。疼痛が強い場合は、鎮痛剤の内服や衝撃波、局所注射などを行います。保存加療を続けても疼痛が続き、日常生活に支障を来たす場合などには手術療法も検討されます。
編集部
最後に、メディカルドック読者へのメッセージがあればお願いします。
片岡先生
親指は手の基本となる指で、ほとんどの場合、物をつかむ際には親指とそのほかの指を使って行います。ですから、親指が痛いと色々な動作に不都合を来してしまいます。さらに、進行すると親指に変形を来すこともあるので、親指に痛みが出てきたら早めに整形外科、できれば「手の外科」など手指を専門としている医療機関を受診するようにしましょう。
※この記事はMedical DOCにて<親指の付け根の痛みが腱鞘炎やリウマチではない危険性 「母指CM関節症」とは?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。