体外受精で妊娠しにくい原因は? 3大ポイントを医師解説

体外受精は、不妊治療の中でも最も高度な医療技術を駆使する方法の一つです。この治療法に希望を抱きながらも、結果が伴わない場合や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。体外受精で子どもを授かるためには、治療に関する正しい知識を持ち、医療機関選びや自身の心身の状態を整えることが大切です。本記事では、体外受精のよくある失敗とその回避方法を放生先生のアドバイスとともに解説していただきました。

監修医師:
放生 勲(こまえクリニック)
編集部
体外受精で妊娠が難しい場合、どのような要因が考えられますか?
放生先生
最も大きな要因は女性の年齢です。卵子は年齢とともに質が低下し、妊娠率が著しく低下します。40歳女性の生産率(出産に至る確率)は10%、42歳では5%になります。このため、年齢が上がるほど、体外受精を成功させるのが難しくなります。また、医療機関の設備や治療の質の違いも大きな要因です。卵子の培養技術が低い場合、受精卵が胚盤胞に育たなかったり、着床が成功しなかったりするケースが増えます。
編集部
医療機関選びで失敗しないためのポイントについても教えてください。
放生先生
妊娠率や費用だけを基準にせず、医療機関の設備や技術力をしっかり確認してください。タイムラプス培養器が導入されているかどうか、培養士の経験や医師の治療方針が明確に説明されているかを確認することが重要です。また、医療機関が患者一人ひとりに合った治療計画を立てているかもチェックポイントです。信頼できる医療機関は、治療の進行や選択肢について丁寧な説明がおこなわれ、患者が納得した上で治療を進めることができます。
編集部
心理的な要因も影響するのでしょうか?
放生先生
心理的な要因も妊娠率に影響を与える重要な要素です。不妊治療は肉体的にも精神的にも負担が大きいため、ストレスやプレッシャーを抱えるとホルモンバランスが乱れ、治療効果が低下することがあります。治療中もリラックスして過ごすことを心がけ、治療を「人生の一部」として捉えることが大切です。例えば、治療を一時中断したタイミングで妊娠したというケースも珍しくありません。気持ちを切り替え、無理のないペースで進めることが成功への近道です。
※この記事はMedical DOCにて<「体外受精で後悔しないコツ」を専門医が解説 始める前に気をつけるポイントとは>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。