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「体外受精」はここまで進化。妊娠率を上げるための秘訣を医師解説

 公開日:2025/11/16
体外受精のプロセスとその重要性

体外受精は、不妊治療の中でも最も高度な医療技術を駆使する方法の一つです。この治療法に希望を抱きながらも、結果が伴わない場合や不安を感じる方も多いのではないでしょうか。体外受精で子どもを授かるためには、治療に関する正しい知識を持ち、医療機関選びや自身の心身の状態を整えることが大切です。本記事では、体外受精のプロセスとその重要性について、放生先生のアドバイスとともに解説していただきました。

放生 勲

監修医師
放生 勲(こまえクリニック)

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昭和62年弘前大学医学部卒業。都内の病院にて2年間の内科研修修了。ドイツ政府国費留学生としてフライブルク大学病院およびマックス=プランク免疫学研究所留学。東京医科歯科大学難治疾患研究所を経て、「こまえクリニック」を開院。自らの不妊治療の患者体験から院内に「不妊ルーム」を開設し、1万組近いカップルの不妊相談に応じている。医学博士。

編集部編集部

体外受精とはどのような治療か教えてください。

放生 勲先生放生先生

体外受精は、自然妊娠と異なり、人工的に“体の外”で卵子と精子を受精させる治療法です。具体的には、4つの主要なプロセスがあります。まず、排卵誘発剤を用いて卵巣内にある数多くの卵子を成熟させます。これにより、自然妊娠で排卵される1個の卵子ではなく、複数の卵子を成長させることが可能になります。ただし、排卵前に採卵する必要があるため、排卵をストップさせる薬を併用します。

編集部編集部

その後は何をおこなうのですか?

放生 勲先生放生先生

次に採卵をおこない、卵巣から可能な限り多くの卵子を採取します。この時点での卵子の質が後の妊娠率に大きく影響します。その後、採取した卵子に精子をふりかけて受精させるプロセスに移ります。受精は自然な状態に近づけるために卵子の周りに精子を泳がせる方法と、元気な精子を卵子に直接注入する顕微授精という方法があります。

編集部編集部

最後のプロセスについてもお願いします。

放生 勲先生放生先生

最後に受精卵を培養します。培養期間は通常4〜5日で、胚盤胞と呼ばれる自然妊娠に近い状態まで育てます。この間に細胞分裂が進む中で、多くの受精卵が脱落しますが、質の良い胚を選んで移植します。移植後は子宮内で胚が着床し、妊娠が成立することを目指します。

編集部編集部

医療機関の設備が重要と言われていますが、具体的にはどのようなものですか?

放生 勲先生放生先生

例えば、タイムラプス培養器は、卵子を安定した環境で管理しながら細胞分裂の進行をリアルタイムでモニタリングできる最新設備です。この装置があることで、卵子に余計なストレスをかけずに培養できるため、胚盤胞まで成長する確率が上がります。また、培養士の技術や経験も大きな要因です。医師が採卵や移植を担当しますが、その間の胚の培養をおこなうのは培養士です。質の高い胚を育てるには、医療機関全体のインフラが整っている必要があります。

編集部編集部

設備以外で注意すべき点はありますか?

放生 勲先生放生先生

設備だけでなく、治療法やプロセスも妊娠率に影響します。例えば、強い排卵誘発をおこなうと、卵巣に過度な負担がかかり、結果的に良質な卵子を得られないことがあります。過剰な排卵誘発を避け、採卵前の卵巣の状態を整える「卵巣セラピー」をおこなうことで、卵巣の負担を軽減し、質の良い卵子を育てることが可能です。卵巣セラピーには、ビタミンDの補給やミネラルバランスの調整など、全身の健康をサポートするアプローチが含まれます。治療前の準備をしっかりおこなうことが、妊娠率を上げる鍵となります。

※この記事はMedical DOCにて<「体外受精で後悔しないコツ」を専門医が解説 始める前に気をつけるポイントとは>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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