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がん治療の“頑張った証”を支えるアピアランスケアの実態とは【医師解説】

 公開日:2025/11/23
まずはアピアランスケアに相談だけでも

がんサバイバーは、最初の治療期間が終わって、学業や仕事、家事・育児または介護などの日常生活にもどる時に、外見の変化に対する不安や悩みが出てくることがあります。がんサバイバーがもとの生活の中で「自分らしく、心地よく」過ごすためには、治療による外見の変化や生活の変化がもたらすストレスを軽減するサポートが大切です。そこで、そうした方々の負担を和らげるためのケアの費用や、その意義について、ド・ケルコフ麻衣子先生(南青山マイコ形成外科・皮フ科)に解説してもらいました。

ド・ケルコフ 麻衣子

監修医師
ド・ケルコフ 麻衣子(南青山マイコ形成外科・皮フ科)

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カナダ・トロント大学Human Biology学科卒業後(理学士)、長崎大学医学部卒業、医学博士課程修了。聖路加国際病院や医療法人社団ブレストサージャリークリニックやがん・感染症センター東京都立駒込病院などで経験を積み、2024年2月に南青山・骨董通りに「南青山マイコ形成外科・皮フ科」を開院、院長となる。形成外科専門医(日本形成外科学会認定)、創傷外科専門医(日本創傷外科学会認定)、がん治療認定医(日本がん治療認定医機構認定)。

編集部編集部

アピアランスケアなど、いろいろ相談ができるサポートがあることを知りませんでした。

ド・ケルコフ麻衣子先生ド・ケルコフ先生

そういう人も多いと思います。がん治療の進歩と同じように、アピアランスケアも全国のがん拠点病院を中心に広がってきています。私どものようなアピアランスケアに注力しているクリニックも今後は増えていくと思います。気になることがあればまずは相談だけでもしてみることをお勧めします。

編集部編集部

費用はどのくらいかかるのですか?

ド・ケルコフ麻衣子先生ド・ケルコフ先生

がん治療を行っているアピアランスケア部門でしたら、おそらく抗がん剤や放射線による治療後の皮膚や、がん手術後の傷あとのケアなどは保険内でカバーされるケースが多いと思います。当院のようなクリニックですと、自費診療となりますが、実際の治療については保険診療が適用できることもあります。詳しくは事前に医療機関のホームページなどで確認してみてください。

編集部編集部

社会生活を続けていくには、治療による外見の不安はなくしたいですね。

ド・ケルコフ麻衣子先生ド・ケルコフ先生

がん治療による外見の変化を“頑張ってきた治療の証”だと考える方もおられますし、変化した外見を少しでも病気の前に戻したいと考える方もおられます。またアピアランスケアを通して、美しくなることに興味が出てきたといわれる方もおられます。アピアランスケアの目的は、外見のサポートを通じて患者さんの気持ちを少しでも楽になるように寄り添い、治療や日常生活に意欲を持ってもらうことにあります。がんと共に生きておられる方にこそ、自分らしさや心地よさ、前向きな気持ちを大切にしてほしいと思います。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

ド・ケルコフ麻衣子先生ド・ケルコフ先生

人生100年時代、3人に1人は何らかのがんになるとも言われています。いつだれが患ってもおかしくありません。がん治療を乗り越え、またはがんと共に明るくお過ごしになる姿は、周りのご家族やご友人、学校や職場の方々のご心配を軽くするだけでなく、皆の素晴らしいお手本になると思います。通院治療中は主治医には相談しづらい悩みを解決する場として、また、治療が終わった後の伴走者としてアピアランスケアクリニックをぜひ活用してほしいと思います。

※この記事はMedical DOCにて<がんサバイバーが「自分らしく」 外見変化などがもたらすストレスを軽減するケアとは?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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