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がん治療に絶望… 精神・外見ケアで治療を前向きに続ける方法とは【医師解説】

 公開日:2025/11/16
がん治療の辛さ、どうしたら軽減できる?

がんサバイバーは、最初の治療期間が終わって、学業や仕事、家事・育児または介護などの日常生活にもどる時に、外見の変化に対する不安や悩みが出てくることがあります。がんサバイバーがもとの生活の中で「自分らしく、心地よく」過ごすためには、治療による外見の変化や生活の変化がもたらすストレスを軽減するサポートが大切です。そこで、がん治療の辛さはどうしたら軽減できるかについて、ド・ケルコフ麻衣子先生(南青山マイコ形成外科・皮フ科)に解説してもらいました。

ド・ケルコフ 麻衣子

監修医師
ド・ケルコフ 麻衣子(南青山マイコ形成外科・皮フ科)

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カナダ・トロント大学Human Biology学科卒業後(理学士)、長崎大学医学部卒業、医学博士課程修了。聖路加国際病院や医療法人社団ブレストサージャリークリニックやがん・感染症センター東京都立駒込病院などで経験を積み、2024年2月に南青山・骨董通りに「南青山マイコ形成外科・皮フ科」を開院、院長となる。形成外科専門医(日本形成外科学会認定)、創傷外科専門医(日本創傷外科学会認定)、がん治療認定医(日本がん治療認定医機構認定)。

編集部編集部

がんやがん治療は、体も心も大変ですよね。

ド・ケルコフ麻衣子先生ド・ケルコフ先生

そうですね。まず、ご自身が「がん」と診断された時点で個人差はあるにせよ、大きなショックを受ける方が多いと思います。

編集部編集部

いまだに「がん=死」をイメージしてしまう方も多いと思います。

ド・ケルコフ麻衣子先生ド・ケルコフ先生

がんはここ10〜20年の医学の進歩によって、昔のような「不治の病」ではなくなってきています。手術、薬物療法、放射線療法などをいろいろ駆使し、社会生活をおくりながら長期にわたって治療を継続されている方も多くいらっしゃいますし、がんと共に過ごして天寿をまっとうされる方も多くいらっしゃいます。それでもやはり、診断された時は「もうだめだ」と落ち込んでしまう方も多いです。そうでなくても、現在のがん治療は、立て続けにいろいろな治療方法を理解し、さまざまな決断をしなくてはならず、さらにそれぞれの治療やその副作用に向き合いつつ、学業や仕事、育児・介護を含む家庭生活の両立、経済的な心配なども含めると、不安や辛さは相当なもので、前向きな気持ちを保ちながら治療を続けるというのは簡単なことではないと思います。

編集部編集部

そういった方が受けられるサポートもあるのですか?

ド・ケルコフ麻衣子先生ド・ケルコフ先生

はい。がん治療を行っている病院であれば、例えば「精神腫瘍科」など、がん治療に伴う精神的不調などに特化した診療科も少しずつ増えてきていますし、がんの経過全般にわたって患者さんや家族のケアを行う専任看護師もいます。社会支援的な情報も相談窓口があり、たくさんの支援、情報を集めることができます。ここ数年では、外来で通院しながらのがん治療が多くなったこともあり、外見の変化のケアに特化した「アピアランスケア」という分野が確立されてきています。

編集部編集部

聞き馴じみのない言葉でした。

ド・ケルコフ麻衣子先生ド・ケルコフ先生

アピアランスケアの重要性は、厚生労働省が定めた「がん対策推進基本計画」でも謳われており、これからますます力を入れていくべき分野です。正式には、アピアランスケアを『医学的・整容的・心理社会的支援を用いて、がんやその治療に伴う外見変化に起因するがん患者の苦痛を軽減するケア』と定義づけています。

※この記事はMedical DOCにて<がんサバイバーが「自分らしく」 外見変化などがもたらすストレスを軽減するケアとは?>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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