股関節形成不全って何？ 女の子に多い原因と症状を医師が解説
赤ちゃんの足の長さに差があったり、股関節が硬く感じられたりする場合、それは「股関節形成不全（DDH）」の兆候かもしれません。股関節形成不全は早期治療が重要とのことですが、早く気づくにはどうしたらいいのでしょうか。今回は、股関節形成不全の原因やなりやすい人の特徴などを「葛西駅前あおぞら整形外科クリニック」の福田先生に解説していただきました。
監修医師：
福田 慎介（葛西駅前あおぞら整形外科クリニック）
編集部
まず、股関節形成不全について教えてください。
福田先生
股関節形成不全は、股関節の骨が正常に成長せず、関節が不安定になったり、脱臼しやすくなったりする状態です。特に股関節の屋根にあたる「臼蓋」と呼ばれる部分が小さく、大腿骨の「骨頭」が上手くおさまっていないために起こる「臼蓋形成不全」が多くみられます。
編集部
股関節形成不全の原因はなんですか？
福田先生
「遺伝」「発育過程」「出生時の体位」などが影響すると考えられています。また、明らかな原因のない場合も多くあります。
編集部
発育過程による要因について、具体的に教えてください。
福田先生
例えば、幼少期になんらかの股関節の病気や怪我があったり、抱っこやおくるみの仕方によって、知らないうちに股関節脱臼を起こしてしまっていたりすると、股関節形成不全の要因となります。
編集部
股関節形成不全になりやすい人の特徴はありますか？
福田先生
女性（女児）や、遺伝的に股関節の疾患を抱える家族を持つ人に、比較的多くみられます。また、出生時に骨盤位（逆子）だった人もリスクが高いですね。左右で言えば、左側の股関節に起こることが多い傾向にあります。それでも全体としては、0.1～0.3％の発症率なので、過度に不安になる必要はありません。
※この記事はMedical DOCにて＜赤ちゃんの「股関節形成不全(DDH)」を疑うサイン・症状はご存じですか? 治療法や早期発見の重要性も医師が解説!＞と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
