その腰の痛み、痛み止めでごまかしていませんか?放置で「感覚障害」が残るリスクも【医師解説】

膝や腰、肩の痛みが続くとき、どの診療科に行けばいいか迷ったことがある方も多いと思います。整形外科とペインクリニック、それぞれで行われる治療は異なり、選び方によって治療効果にも違いが出ます。この記事では、痛みが続くときに考えられる病気について、園ペインクリニック松本先生の意見を基に解説します。

監修医師:
松本 園子(園ペインクリニック)
編集部
長引く膝や腰の痛みの原因にはどのような病気がありますか?
松本先生
椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症、腰椎すべり症などが主な原因として挙げられます。椎間板ヘルニアは、脊椎の間にあるクッションが飛び出し、神経を圧迫することで痛みを引き起こします。以前は手術が一般的でしたが、現在では神経ブロック療法など非手術的な治療が第一選択となることもあります。一方、脊柱管狭窄症は、脊椎の中を通る神経の通り道が狭くなる病気で、加齢が主な原因です。これらの病気は適切な治療で改善する可能性が高いため、早めの受診が推奨されます。
編集部
痛み止めを使用し続けている人がいますが、これにリスクはありますか?
松本先生
痛み止めは一時的な対症療法であり、根本的な原因を治すものではありません。例えば、椎間板ヘルニアを放置していると、神経への圧迫が長引き、感覚障害や運動障害を引き起こす可能性があります。また、慢性的な痛みが続くと、痛みを抑える神経機能が過敏化し、治療が難しくなることもあります。痛みが続く場合は、早期に専門医を受診し、原因を特定した上で適切な治療を受けることが重要です。
編集部
痛みを感じたとき、どのくらいのタイミングで病院を受診すべきですか?
松本先生
痛みが数日で軽減しない場合は、1週間以内に病院を受診するのが理想的です。慢性化した痛みは治療が困難になるため、早期の受診が重要です。ペインクリニックでは、痛みの詳細な評価と個別化した治療が行えるため、原因に応じた最適なアプローチを受けられます。
※この記事はMedical DOCにて<関節や脊椎の痛みは「ペインクリニック」と「整形外科」どっちに行けばいいの?【医師監修】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。