「笑顔がぎこちない」それは脳の異常?医師が語る“顔面神経麻痺”の治療法

「突然顔が動かしにくくなった」「笑顔がぎこちない」など、顔に異変を感じたら顔面神経麻痺の可能性が考えられます。顔面神経麻痺は、顔の筋肉を司る神経が障害されることで発症する症状で、放置すると回復が遅れる可能性があります。この記事では、顔面神経麻痺の治療や予防について、園ペインクリニック松本先生の見解を交えながら解説します。

監修医師:
松本 園子(園ペインクリニック)
編集部
顔面神経麻痺の診断のためにどのような検査が行われますか?
松本先生
問診では、いつから症状が現れたのか、症状の程度、伴う痛みなどを確認します。さらに、視診や触診で顔面神経の動きを確認します。必要に応じてMRIやCT検査を実施し、腫瘍や血管異常、帯状疱疹ウイルス感染の可能性を調べます。これにより、正確な診断が可能となります。
編集部
顔面神経麻痺の治療にはどのような方法がありますか?
松本先生
ステロイド療法が第一選択とされており、これに抗ウイルス薬を併用する場合もあります。また、ペインクリニックでは、神経ブロック療法という血流改善を促す治療が行われることがあります。血流が改善することで炎症が軽減し、神経の回復を促す効果が期待できます。特に症状が重い場合には、早期にこうした治療を行うことが重要です。
編集部
予防のためにできることはありますか?
松本先生
直接的な予防法は難しいですが、免疫力を高める生活習慣が有効です。具体的には、十分な睡眠、栄養バランスの取れた食事、適度な運動を心がけることが重要です。また、ストレスを減らすことも予防に繋がります。特に冬場は帯状疱疹ウイルスが活性化しやすいため、健康管理に注意しましょう。
※この記事はMedical DOCにて<「顔面神経麻痺」が疑われるときは何科を受診すればいいのかご存知ですか?【医師監修】>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。