60歳以上の半数は「骨粗しょう症」!? 今、知っておきたい骨粗しょう症の治療方法について【医師が解説】

年齢とともにリスクが高まる骨粗しょう症。放置すると骨折や寝たきりにつながるリスクもあります。治療法には、食事療法、運動療法、薬物療法の3つがあります。今回は、「骨粗しょう症」のそれぞれの治療法について中谷先生に詳しく解説していただきました。

監修医師:
中谷 創(つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック)
編集部
骨粗しょう症の治療にはどんなものがあるのですか?
中谷先生
大きく分けると食事療法、運動療法、薬物療法の3つです。食事療法であれば、骨の構成要素であるカルシウムやタンパク質、さらに骨の生成に欠かせないビタミンDやKなどの栄養素が重要です。これらを意識して摂取しつつ、栄養バランスの取れた食事を心がけることを指導しています。
編集部
運動療法についても教えてください。
中谷先生
運動によって骨に適度な負荷をかけることで、骨は強化され、丈夫になります。とくに、踵の骨(踵骨)に刺激を入れると骨量が増えやすいと言われているため、ウォーキングやジョギング、エアロビクスなどの中強度の運動が効果的です。ジムなどに行って激しい運動をする必要はなく、毎日の散歩や週に数回の軽い運動でも十分効果があります。1回の運動強度よりも、継続的に取り組むことが大切ですので、無理なく続けられる運動を習慣化しましょう。
編集部
薬で治療することも可能なのですか?
中谷先生
骨粗しょう症が進行した場合は、食事療法や運動療法と併行して薬物療法が行われます。現在、骨粗しょう症の治療には、骨の吸収を抑える「骨吸収抑制剤」や新しい骨の形成を促進する「骨形成促進剤」、さらにビタミンやカルシウムなどの骨に必要な栄養素を補う薬が用いられています。また、腰や背中の痛みを和らげるための鎮痛薬も処方されることがあります。どの薬を使用し、治療をいつ始めるかは、それぞれの年齢や症状の進行度を考慮して医師が判断します。
※この記事はメディカルドックにて【60歳以上の半数は「骨粗しょう症」!? 早期発見・治療が大事な理由を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。