知っておきたい! 60歳以上の女性に多い!?骨折しやすくなる「骨粗しょう症」とは【医師が解説】

「年齢とともに骨は弱くなる」と言われますが、実際に骨粗しょう症は50歳頃から増え始め、60歳を超えると半数以上に見られると報告されています。女性は閉経の影響で骨密度が急激に低下しやすくなるため注意が必要です。今回は、閉経後の女性に多い「骨粗しょう症」について中谷先生に解説していただきました。

監修医師:
中谷 創(つくる整形外科祐天寺駅前スポーツクリニック)
編集部
骨粗しょう症について教えてください。
中谷先生
骨粗しょう症は、骨の密度や質が低下して骨が脆くなり、骨折しやすくなる疾患です。加齢に伴い、骨に含まれるカルシウムやマグネシウムなどのミネラル量が減少することで、骨の密度が低下しやすくなります。その結果、骨の量が減少し、スカスカになってしまうことが多いのです。
編集部
何歳くらいから発症するのですか?
中谷先生
骨のミネラル量は20歳代ごろがピークで、そこから徐々に減少していきます。骨密度が低下し始めるのは50歳頃からで、60歳を超えると半数以上の人が骨粗しょう症の状態になっていると言われています。
編集部
女性に多いというのは本当ですか?
中谷先生
本当です。骨というのは、常に合成と分解を続けていますが、女性ホルモンには骨からカルシウムが溶け出すのを抑制する働きがあるため、分解のスピードが早くなりすぎないようにしてくれています。しかし、女性の閉経前後ではこのスピードが速まるため、新しい骨の合成が追いつかず、骨がどんどん脆くなってしまうのです。
編集部
そういった原因があるのですね。
中谷先生
ただし、加齢や女性ホルモンだけが原因ではありません。偏った食生活や無理なダイエット、喫煙、過度の飲酒なども骨粗しょう症の一因となり得ます。そのため、近年では、高齢女性に限らず、若い女性の間でも骨粗しょう症が深刻な問題として注目されています。
※この記事はメディカルドックにて【60歳以上の半数は「骨粗しょう症」!? 早期発見・治療が大事な理由を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。