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症状がなくても安心できない! 大腸がんの前触れとなる「大腸ポリープ」の原因と特徴【医師が解説】

 公開日:2025/12/01
大腸ポリープ 原因と特徴

大腸ポリープは「良性だから安心」と思っていませんか? 実は、大腸にできる良性腫瘍の中には、時間の経過とともにがん化するリスクを持つものがあります。多くの場合、自覚症状がないまま進行するのが特徴です。早期に発見し、切除することが大腸がん予防につながります。今回は、大腸ポリープや大腸がんの関係について柏木先生に解説していただきました。

柏木 宏幸

監修医師
柏木 宏幸(池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック 東京豊島院)

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2010年埼玉医科大学卒業後、沖縄にて初期臨床研修をおこない、東京女子医科大学病院消化器病センター内科へ入局。女子医科大学病院消化器内科助教となり複数の出向病院で勤務し、2023年4月に池袋ふくろう消化器内科・内視鏡クリニック開業。日本内科学会総合内科専門医、日本消化器病学会消化器病専門医、日本消化器内視鏡学会消化器内視鏡専門医、一般社団法人日本病院総合診療医学会認定病院総合診療医、難病指定医。

編集部編集部

良性腫瘍なのにがん化する可能性があるのですね。

柏木 宏幸先生柏木先生

はい。良性腫瘍(腺腫)は大腸の粘膜上皮にある腺細胞という細胞が異常を起こし、増殖することで発生します。大腸に見られるポリープのうち、最も頻度が高いものであり、基本的に良性とされています。しかし、少しずつ大きくなるなど、成長しているものはいずれがん化するリスクがあることがわかっています。

編集部編集部

ポリープが大きくなって、がんになるというイメージですか?

柏木 宏幸先生柏木先生

大腸がんの作られ方はさまざまで、ポリープを経ず、突然発症するタイプのものもあります。しかし、一般的なのは、良性ポリープが大きくなるなかでがん化するというタイプのものです。腺腫の成分ががん化するまでは、一般に数年かかるとされていて、特にサイズが大きいものや形が変形しているものは、がんを発症するリスクが高くなることがわかっています。

編集部編集部

良性腫瘍(腺腫)があると、どのような症状が見られるのですか?

柏木 宏幸先生柏木先生

基本的には症状がないことがほとんどです。特にポリープが小さかったり、凹凸がなく平坦であったりする場合にはほとんど自覚症状がなく、大腸カメラなどの検査を受けなければ気づけないかもしれません。しかし、ポリープが大きくなったり、肛門の近くにポリープができたりすると血便が出たり、粘液が混ざった便が出たりして気がつくこともあります。

編集部編集部

症状がなくてもポリープができていることがあるのですね。

柏木 宏幸先生柏木先生

はい。そのため「何も症状がないから大丈夫」と考えず、症状がなくても定期的に大腸カメラ検査を受け、ポリープなどの異常がないか確認することが重要です。

編集部編集部

大腸カメラで腺腫が見つかったら、どうしたら良いのでしょうか?

柏木 宏幸先生柏木先生

研究により、腺腫を切除すると大腸がんの発症リスクが低下することがわかっています。そのため大腸カメラなどの検査で腺腫が見つかったら切除することが望ましいです。

編集部編集部

小さくても切除した方が良いのですか?

柏木 宏幸先生柏木先生

はい。大きなものほどがん化のリスクがありますが、小さなものでも将来的ながん化のリスクを考え、積極的に切除するのが一般的です。ポリープを切除して病理検査を行い、どのようなポリープか判断し、今後の大腸がんの予防に役立てたり、検査間隔を考慮したりするのに活用します。

※この記事はメディカルドックにて【「大腸がん」の前兆 リスクを高める大腸ポリープの正体! 良性・悪性の違いとは?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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