気づかないうちに進行する!? 「甲状腺異常」 はどう予防し、治療するのがいい? 【医師が解説】

甲状腺の異常は、体重の変化や動悸、首の腫れなど、日常の小さなサインから気づかれることがあります。完全に防ぐことは難しいものの、食生活や運動、ストレス管理など、毎日の心がけでリスクを減らすことが重要です。今回は甲状腺異常の予防と治療について向笠先生に解説していただきました。

監修医師:
向笠 浩司(よこすか甲状腺内科クリニック)
編集部
甲状腺異常を予防する方法はあるのでしょうか?
向笠先生
完全な予防は難しいですが、日常生活で注意できるポイントはいくつかあります。ストレスを溜めすぎないこと、ヨウ素を含む食品を適量摂取することが挙げられます。特に日本人は昆布やワカメなどの海藻を多く摂る文化がありますが、摂りすぎると甲状腺に負担がかかる場合もあるため、注意が必要です。また、喫煙は甲状腺に悪影響を与える可能性があるため、禁煙を心がけることも大切です。
編集部
甲状腺異常を指摘された場合、どのような治療がおこなわれますか?
向笠先生
治療は異常の種類や程度によって異なります。軽度であれば経過観察が選択されることもありますが、ホルモン異常が確認された場合は内服治療が基本です。バセドウ病の場合、内服治療が効果を発揮しない場合は手術や放射線治療が選択肢に入ります。また、悪性腫瘍の場合は手術が必要になることもあります。
編集部
日常生活で甲状腺の健康を保つために意識すべきことを教えてください。
向笠先生
首の違和感や腫れ、脈拍の異常、体重の急激な変化があれば、早めに医師に相談することが重要です。また、日頃からバランスの良い食事と適度な運動を心がけ、ストレスを軽減する生活を送りましょう。
※この記事はメディカルドックにて【疲労感や記憶力低下は甲状腺が原因かも!? 甲状腺異常を放置してはいけない理由を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。