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「甲状腺の不調」が全身に影響!? 甲状腺とはどんな役割をになっているのか? 【医師が解説】

 公開日:2025/11/28
甲状腺 役割

甲状腺」は、体の代謝や体温調整を支える大切な臓器です。この甲状腺の働きに異常が起こると、疲労感やむくみ、動悸や手の震えなど、全身にさまざまな影響が現れることがあります。そのため、早期発見と早期治療が欠かせません。今回は、甲状腺の役割や異常によって起こる症状、検査方法について向笠先生に解説していただきました。

向笠 浩司

監修医師
向笠 浩司(よこすか甲状腺内科クリニック)

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1995年横浜市立大学医学部卒業。同大学大学院修了。2001年に米ハーバード大学Brigham and Women’s Hospitalに留学。帰国後は横浜市立大学附属病院講師や伊藤病院内科医長、中島内科クリニック副院長を歴任。2021年より現職。日本甲状腺学会専門医、日本内分泌学会専門医、日本内科学会総合内科専門医。横浜市立大学医学部および聖マリアンナ医科大学非常勤講師。

編集部編集部

甲状腺は体のどこにあり、どのような役割をしているのでしょうか?

向笠 浩司先生向笠先生

甲状腺は首の付け根に位置しており、気管に沿って存在しています。女性は首の上部に位置しているため触診で確認しやすいのですが、男性の場合は胸郭の中に沈み込んでいることが多いため、触診での確認が難しいこともあります。この甲状腺は「体を元気にするホルモン」と呼ばれる甲状腺ホルモンを分泌しており、体温を調節したり、エネルギー代謝を調整したり、心拍数や消化器官の働きを支えたりするなど、多くの役割を担っています。これらが適切に機能することで、体は健康的に活動できます。

編集部編集部

甲状腺ホルモンが不足したり過剰になったりすると、どのような影響があるのですか?

向笠 浩司先生向笠先生

ホルモンが不足すると、体の代謝が低下してしまい、疲労感やむくみ、記憶力の低下といった症状が現れます。一方、ホルモンが過剰になると、代謝が過剰に活発化してしまい、動悸や手の震え、異常な発汗、さらには感情の起伏が激しくなることがあります。いずれの場合も、甲状腺ホルモンの異常は全身に影響を及ぼすため、放置せずに早期の診察を受けるのがよいでしょう。

編集部編集部

健康診断で甲状腺の異常を見つけることはできますか?

向笠 浩司先生向笠先生

健康診断では、医師が首を触診して甲状腺の腫れや異常を確認します。この触診は早期発見に重要なステップですが、内部の異常を見つけるには採血検査や超音波検査が有効です。採血では「甲状腺ホルモン」や「甲状腺刺激ホルモン」の値を調べます。ただし、一般的な健康診断には甲状腺検査が含まれていない場合も多いため、気になる場合は医師に追加検査を相談してください。

※この記事はメディカルドックにて【疲労感や記憶力低下は甲状腺が原因かも!? 甲状腺異常を放置してはいけない理由を医師が解説】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

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