目次 -INDEX-

  1. Medical DOCTOP
  2. 配信コンテンツ
  3. 意外と知られていない! 「心不全」予防になる「心臓リハビリテーション」とは【医師解説】

意外と知られていない! 「心不全」予防になる「心臓リハビリテーション」とは【医師解説】

 公開日:2025/12/09
心臓のリハビリ 適応・流れ・費用

心不全は一度発症すると完治が難しいとされています。しかし、「心臓リハビリテーション」によって症状の改善や再発予防が可能になります。心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の既往、心臓の手術歴がある方などが適応となり、保険診療で受けられる安心の治療法です。今回は、心臓リハビリテーションの効果や仕組みについて飯田先生に解説していただきました。

飯田 圭

監修医師
飯田 圭(飯田医院)

プロフィールをもっと見る
日本大学医学部卒業。その後、国立循環器病研究センター心臓血管内科レジデントとして勤務、日本大学医学部内科学系循環器内科学分野准教授などを務める。2007年、埼玉県ふじみ野市に位置する「飯田医院」の副院長に就任。日本内科学会認定総合内科専門医、日本循環器学会専門医、日本心臓リハビリテーション学会指導士、日本医師会認定健康スポーツ医。

編集部編集部

どのような人が心臓リハビリテーションの適応なのですか?

飯田圭先生飯田先生

心不全と診断されたことがある人はもちろんのこと、「心筋梗塞や狭心症などの虚血性心疾患の既往がある人」「過去に心臓の手術を受けたことのある人」「大動脈疾患がある人」「下肢(脚)の血管に動脈硬化がある人」も心臓リハビリテーションの適応となります。ご自身が適応になるのかわからない場合は、主治医や、お近くで心臓リハビリテーションをおこなっている施設に問い合わせてみてください。

編集部編集部

心臓が悪くても運動した方がいいのですね。

飯田圭先生飯田先生

そのとおりです。心臓に病気があったり、心臓の手術を受けたりした人の中には、運動が必要だとは理解していても、どのような運動をどれくらいおこなえばいいのか分からず、不安を感じることも多いと思います。心臓リハビリテーションでは、医師をはじめ看護師や理学療法士、管理栄養士、薬剤師など様々な専門職が連携して、運動や栄養、生活習慣の改善を総合的に指導します。単なる運動とは違い、患者さん一人ひとりの状態に合わせて提供する専門的なプログラムなので、ぜひ安心して受けていただけたらと思います。

編集部編集部

費用についても気になります。

飯田圭先生飯田先生

先述した適応に当てはまる人は、医療保険が使えます。負担割合により金額が異なりますが、3割負担の場合は1回1時間ほどで約2000円、1割負担の場合は約700円となります。心臓リハビリテーションに必要な各種の検査(運動負荷試験、心エコー、血液検査など)や体力測定(身体機能評価)、栄養指導などをおこなった場合は、料金が別途かかります。

編集部編集部

最後に、読者へのメッセージをお願いします。

飯田圭先生飯田先生

心臓リハビリテーションは多くのメリットがあるにもかかわらず、まだ認知されていないと感じます。一度かかると完治しない心不全を事前に予防できるため、心臓病を患っていない人にも理解が広まってほしいですね。必要な人にきちんと届けられるように、我々医療従事者も今後ますます体制を整えていきたいと思っています。

※この記事はメディカルドックにて【「心不全」は治らない? 原因・症状は? 知っておきたい予防法も医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。

この記事の監修医師

注目記事