知っておきたい! 「2型糖尿病」を予防するために見直したい日常習慣について【医師が解説】

糖尿病は「生活習慣病」と呼ばれるように、日々の生活リズムや習慣が深く関係しています。肥満や運動不足はもちろん、睡眠不足や間食の多さなどによる生活リズムの乱れも発症リスクを高める要因です。今回は、糖尿病を防ぐために私たちが日常で意識すべきことについて髙橋先生に詳しく伺いました。

監修医師:
髙橋 紘(いんざい糖尿病・甲状腺クリニック)
編集部
日常生活が影響して糖尿病のリスクを高めることがあるのですね。
髙橋先生
はい。ほかには、肥満や運動不足なども糖尿病のリスクを高めることがわかっています。肥満になるとインスリンの働きが悪くなり、血糖値が下がりにくくなることがわかっていますし、運動不足も肥満を招き、やはり糖尿病のリスクを高めることになります。加えて、間食が多い人も常に血糖値が高い状態が続くため、糖尿病の発症リスクが高いとされています。
編集部
そのほかにも、「こんな日常生活をしている人は糖尿病のリスクが高い」ということはありますか?
髙橋先生
睡眠時間が短い人も要注意です。なぜなら、睡眠不足や不眠症になると血液中でブドウ糖が代謝される仕組みに影響が及び、インスリンの効きが悪くなるからです。研究によると、睡眠時間が7時間よりも短い人は、糖尿病の発症リスクが高いことがわかっています。
編集部
糖尿病を予防するためには、日常生活でも色々なことに気をつけなければいけないのですね。
髙橋先生
「間食が多い」「夜食を摂る」などの食事回数が多くなりやすい人も注意が必要です。そのため、3食しっかり食べることが糖尿病予防には重要です。
編集部
食事の回数も重要なのですね。
髙橋先生
そうですね。さらに、糖尿病は生活のリズムとも深い関わりがあり、例えば夜勤の多い仕事の人は糖尿病を発症しやすいことがわかっています。「帰宅して食事をしてからすぐに寝る」「夜間に糖質たっぷりの食事をする」などといったライフスタイルや体内時計の乱れが関係しています。そのため、夜勤の人は帰宅後に食事を取ってから就寝するまでの時間配分を考えるような生活パターンがおすすめです。夜勤明けに食事をする際は、炭水化物の量にも気をつけましょう。
編集部
最後に、読者へのメッセージをお願いします。
髙橋先生
糖尿病は生活習慣病と呼ばれるように、生活習慣が大きく関係します。時期によっては会食が続いたりイベントが連続したりすることもあると思います。ときにはそうした機会があってもいいと思いますが、日常生活でメリハリをつけることが大切です。会食や宴会のときには極端な節制をせずに食べたり飲んだりしても、日常では生活を引き締めるなど、節度のある生活を送るように心がけましょう。
※この記事はメディカルドックにて【「2型糖尿病」の発症リスクを高める“生活習慣”はご存じですか? 食生活との関係や予防法を医師が解説!】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。