薬やお酒が引き金に… 「急性低血圧」で命を落とすリスクを医師が解説

「急に血圧が下がり、意識がもうろうとする」そんな症状は、単なる低血圧ではなく、命に関わる可能性がある急性低血圧かもしれません。慢性的な低血圧とは違い、急性低血圧は予防やコントロールが難しい病態です。その特徴や注意点について、工藤先生に解説していただきました。

監修医師:
工藤 孝文(工藤内科)
日本内科学会・日本糖尿病学会・日本肥満学会・日本東洋医学会・日本抗加齢医学会・日本女性医学学会・日本高血圧学会、日本甲状腺学会・日本遠隔医療学会・小児慢性疾病指定医。
編集部
急性低血圧について詳しく教えてください。
工藤先生
急性低血圧は、ワクチンや薬剤を投与された場合にアナフィラキシーショックを生じたり、急性アルコール中毒や心臓・血管の病気などが原因でショック症状を生じたりする場合に血圧が急激に低下してしまう病態です。原因にもよりますが、命に関わることもあります。
編集部
急性低血圧は重篤な病態なのですね。
工藤先生
そうですね。慢性的な低血圧の場合には、ある程度症状をコントロールできることもあります。しかし、急性低血圧では薬剤や病気が原因で急激に生じるため、予防やコントロールを図ることが困難です。
編集部
では、急性低血圧とほかの低血圧とは大きく異なるのですね。
工藤先生
慢性低血圧の場合にも、急激に血圧が低下すれば重篤な状態に陥る可能性はありますが、生活習慣を整えたり治療を受けたりすることで症状のコントロールを図ることができます。急性低血圧の場合には急激に血圧が低下し予測不能のため、原因によっては命に関わることもあるため、そういった点では大きく異なるといえます。
※この記事はメディカルドックにて【急性低血圧ってどんな状態? どんな時に起きるの?】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。