続く頭痛は見逃さないで! 「くも膜下出血」など危険なケースも医師が解説

「頭痛で受診したのに原因不明と言われた」そんな経験をした方もいるかもしれません。しかし近年は頭痛の分類や診断基準が進化し、片頭痛や緊張型頭痛など、多くの場合で原因を特定できるようになっています。では、原因不明の頭痛とはどのようなものなのでしょうか。尾﨑先生に解説していただきました。

監修医師:
尾﨑 聡(えびな脳神経外科)
編集部
頭痛でクリニックを受診しても、「原因不明」と診断されることがあるようですね。
尾﨑先生
検査などで異常がない場合、原因不明の頭痛と診断されることがあるようです。しかし、多くの場合は片頭痛や緊張型頭痛などと診断が可能な場合が多いと思います。
編集部
つまり、「原因不明」とされるケースが少なくなってきたということですか?
尾﨑先生
近年、頭痛の分類が体系化し、改良を重ねてきています。その分類の診断基準に沿って診断を進めていくことで、原因不明の頭痛も適切な診断ができるようになってきたと感じます。そして、その原因不明とされた頭痛の中で代表的なものが、片頭痛です。2020年に片頭痛の新しい治療薬が登場し、従来の治療に比べて有効性が高いと考えます。なお、この薬は片頭痛、つまり脈を打つような頭痛にしか適応がありません。
編集部
片頭痛とは違った、“痛みっぱなし”の頭痛は対処できないのですか?
尾﨑先生
そういうことになります。ただし、“痛みっぱなし”の頭痛は、「くも膜下出血」のような怖い病気に起因することもあるので、診断できるケースもあります。また、仮に原因不明であっても頭痛ダイアリーの活用などで、頭痛を引き起こすトリガーを洗い出して遠ざけることは可能です。
編集部
どのタイプ頭痛なのかによって、その後の処置が変わってきそうですね。
尾﨑先生
はい。いずれにしても受診が大前提になるでしょう。市販の頭痛薬を飲みすぎると「薬物乱用頭痛」のリスクがありますし、前述した新薬の登場によって市販薬は「時代遅れの感」すらあります。そのため、医師との二人三脚によって、適切に治していきましょう。
※この記事はメディカルドックにて【思わぬ盲点! 原因不明の頭痛に対して、専門クリニックがしていること】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。